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高野山の総門 名前は「大門」 [高野山]

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
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この建物は高野山の大門と呼ばれています。下の地図のように高野山の町の中の西の端に静かに建っている、名前の通り大きな門です。
町はずれにあることから訪れる人も少なく静かな場所ですが、クリックして拡大してみるとわかるように歴史のある、すばらしい建物でした。五間三戸(柱間が5間で入口が3間)の二階二層門で、高さは25.1メートルあります。高野山は世界遺産に指定されている場所です。その高野山全体に対する門(総門)が、この大門なのです。つまり世界遺産に入っていくにふさわしい門だと言えます。
通常は写真をクリックすると2倍に拡大いたしますが、この上の写真だけは4倍(面積では16倍)に拡大します。是非ともクリックしてみてください。

こちらに来たのは11月30日で、泊まっていた大阪のホテルから日帰りで来ました。ケーブルカーで高野山駅に着いて、そこからバスで東の端(地図の右端)にある奥の院に行き一の橋近くの、お寺で精進料理を食べた後に高野山の町を徒歩で散策しながら縦断して西の端(地図の左端)にある、この大門まで来ました。
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Google地図です。上の地図と比較してみてください。左端の赤色マークが大門です。右端の赤色マークが奥の院です。他の色のマークは別の記事で紹介した寺院です。赤色ラインがお薦めの奥の院の参道です。奥の院から赤色ラインと緑色ラインを歩いて寺院など散策しながら大門まで来ました。まっすぐ歩けば3.9kmの距離ですが寺院に寄りながらなのでもう少し長くなったと思います。新しい記事を掲載した場合はマークを追加いたします。名前を知りたい方はマークをクリックしてみてください。

より大きな地図で 高野山 寺院 を表示
町のはずれまで来ると大きな門が見えてきました。道の左側には、すでに紹介とした南峰堂本舗という名の饅頭屋さんがあります。  
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さらに進み石段に近づくと全景が見えてきました。
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石段を登ったところです。静かな場所でした。
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門の前には大きなたて看板がありました。それには平成27年4月2日~5月21日に高野山開創千二百年・記念大法会が行われることが書かれていました。
高野山の開創当時は現在の地より数百メートル下方の旧道の九十九折谷(「つづらおりだに」あるいは九折谷)に鳥居を建て、それを総門としていたそうです。その門が現在の門の前身だといわれています。
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現在の位置に移された時期は、永治元年(1141年)ともいわれ、その際、鳥居から門の形式に変更されました。さらに寛喜2年(1230年)には五間二階の楼門に改められたと記録されています。
その後、天正5年(1577年)に焼失しましたが、慶長9年(1640年)、木食応其上人(もくじきおうごしょうにん)によって再建されました。
現在の大門は、元禄元年(1688年)に焼失したことにより、同13年(1700年)5月造営の釿始を行ない、同14年7月大門中柱を建て始め、同16年9月上棟、宝永2年(1705年)8月に至って落慶供養が行われました。
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高野山の文字が印象的でした。実は学生時代には自転車で何度も(6~7回)、ここに登ってきました。山道を登ってきて最初に目にするのが、こちらの大門だったので思い出深い建物なのです。
文政元年(1818年)に屋根、箱棟の修理が行われ、近年においては明治28年(1895年)に屋根の部分修理および二階の縁廻り、一階側柱の根継が行われており、昭和61年(1986年)には、全面解体修理が施されました。この時、白木の状態であった表面を丹塗りとし、昔の状態に戻したそうです。
現在は建設当時の朱色でしたが学生時代は白木の状態で、こげ茶色の門でした。
カラフルな文様が高野山の文字の上に描かれています。その中に魚が2匹います。写真をクリックすると探せると思います。果たしてどの文字の上に泳いでいるでしょうか。
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大門の仁王像(金剛力士立像)は、その大きさからすると、奈良の東大寺南大門の仁王像に次ぐ、我が国二番目の巨像となるようです。
右の阿形像の像高は 5m46cmあり、左の吽形像は5m58cmあります。
こちらが右の阿形像です。阿形像は、京都の仏師であり高野山大仏師をも名乗った康意が造立したそうです。
冒頭の写真をクリックするとわかると思いますが、両仁王像の前に、お花が立てかけられていたのが印象的です。


こちらが左の吽形像です。吽形像は同じく京都五条の仏師、運長が造立したことが胎内の背位置に留められていた銘札から判明しています。
両像の造立に関わる関連資料が別に伝わっており、それによると、元禄9年(1696年)から10年にかけて、康伝、康意、康敬、運長など、当時の著名仏師による仕様見積書等がそれぞれに提出されていたことがわかりました。当時の仁王像造立過程を知る上で貴重な資料ということから、重要文化財金剛力士立像の付属品として取り扱われることになりました。


大門に掲げられている柱聯(ちゅうれん)です。文字が読み取れないのは写真が、ぶれているのではなくて色が落ちて滲んで読みとれないことは朱塗りの梁りの文様がクリアーなことから判ってもらえると思います。
そこでネットで調べた結果、右側には「不闕日日之影向」、左側は「検知處々之遺跡」と書かれていることが判りました。言われてみれば、そのように読み取れます。
これは「日々影向文」と呼ばれるものの一部で、全文は「卜居於高野樹下 遊神於都卒雲上 不闕日々之影向 検知處々之遺跡」だそうです。その意味は「弘法大師は高野山を入定の地と定め、弥勒の浄土である都卒天の雲の上におりつつ、弘法大師のいわれのある旧跡や遺跡に日々影向する」と解釈されるそうです。


最後に高野山の総門である「大門」の正面からの写真を再度掲載いたします。
日本最大の木造門と言われている右の写真の知恩院の三門よりも高さにおいてはクリックすると拡大上回ることからも、大きさが実感してもらえると思います。形式はいずれも五間三戸・二階二層門です。
          高さ   正面桁行
 知恩院 三門   23.8m  (幅50m)
 東大寺 南大門  25.46m (幅29m)
 高野山 大門   25.1m  21.4m
 南禅寺 三門   21.8m  22.0m
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mayu

厳粛なムードいっぱいですね!
何か男性っぽいですね?

by mayu (2010-12-26 05:41) 

SORI

mayuさん おはようございます。
クリスマスの時期には似合わない記事でした。そこが、またいいかもしれません。ご指摘の通り、力強い建物でした。
by SORI (2010-12-26 06:01) 

moumou

いやー素晴らしい建物ですね。高野山のあの文字を見ると中国の少林寺を思い出します。
by moumou (2010-12-26 10:02) 

SORI

moumouさん こんばんは
少林寺も、こんな感じで表示されているのですね。これだけのものを2回の焼失があっても再建してきたのはすごい力です。火災保険がない時代です。
by SORI (2010-12-26 10:43) 

真夜中のひつじ

はじめまして。
ご訪問ありがとうございました。
SORIさんの造詣の深さがこわいです。
写真キレイですしね。

プロフィールのお写真が、印象的です。
ありました。このような時代が。

by 真夜中のひつじ (2010-12-26 10:59) 

SORI

真夜中のひつじさん こんにちは
高野山や自然や訪問した場所のすばらしさのおかげです。こちらこそコメントありがとうございました。
by SORI (2010-12-26 11:34) 

miche

ご訪問いただきありがとうございます。仁王像の迫力に圧倒されました。
by miche (2010-12-26 14:37) 

SORI

micheさん こんにちは
高野山で有名な仏師の日本で二番目に大きな仁王像に出会えると思いませんでした。学生時代には何気なく見ていて有名な仏師とは知りませんでした。
by SORI (2010-12-26 14:54) 

terrybear

冬は寒いんでしょうね~
by terrybear (2010-12-26 16:02) 

SORI

terrybearさん こんにちは
標高が900mなので寒いと思います。これからはさらに寒くなります。
by SORI (2010-12-26 17:16) 

Huck_Finn

SORIさんのブログを読むと、行きたいところが増えます。
by Huck_Finn (2010-12-26 17:49) 

SORI

Huck_Finnさん こんばんは
海外は珍しいことばかりで興味が引かれることがすぐに発見できますが、身近な日本でも、どんな場所にでも興味が引かれることがあることがあると感じられます。
by SORI (2010-12-26 18:23) 

ヨッシーパパ

パワーをたくさん貰えそうな場所ですね。
一度、訪ねてみたいと思いながら、もう数十年経っています。
by ヨッシーパパ (2010-12-26 18:30) 

SORI

ヨッシーパパさん こんばんは
いろんなパワーがありそうな神秘的な場所でした。学生時代以来の訪問だったので懐かしくもありました。
by SORI (2010-12-26 21:33) 

みんこ

すごい迫力ですっ!
仁王像も素晴らしいですが、この朱色も印象的な色ですね。
by みんこ (2010-12-31 21:06) 

SORI

みんこさん こんばんは
何気なくたっていたので、こんなに有名な仏師が作ったものとは気がつきませんでしたが、今見るとなるほどと納得してしまいます。真言宗の総本山の門を守っている仁王さまだから当たり前といえば当たり前でした。
by SORI (2010-12-31 21:12) 

youzi

少林寺にこんなに立派な門があったのかな?
私も行った事がありますが、行った時期のためか、
修行僧は一人もいませんでした。
何か門があったのは覚えていますが、映画で見た
修行僧を見る事だけを楽しみにしていたので、
ただの寺じゃないって、怒った私。
by youzi (2011-01-03 20:27) 

SORI

youziさん おはようございます。
少林寺の近くに行ったことがありましたが、時間がなかったので寄ることが出来なかったことを思い出しました。少し後悔していたのですが、youziさんの話を聞いてちょっと安心してしまいました。
by SORI (2011-01-04 07:50) 

ムサシママ

広大な敷地に立派な建造物、まさに歴史ですね
一度、訪れてみたいです
理由は、あちら側にだんだん近付いているからかと・・・
お参りをしておかねば。。。

by ムサシママ (2013-12-11 10:44) 

SORI

ムサシママさん おはようございます。
さすが1200年の重みがあります。是非とも平成27年に特別な行事が行われるので、訪問するなら、その年がいいかもしれません。
by SORI (2013-12-11 11:14) 

島猫

立派な三門ですね!
早くここを潜って嫌なことを捨てたいです^^;
by 島猫 (2013-12-11 13:09) 

SORI

島猫さん こんにちは
ほんと大きな門です。固有の寺のための門ではなく高野山(仏教都市)全体のための門であるところに値打ちがあると思います。
by SORI (2013-12-11 15:31) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

驚くのが、こんなに重い屋根を支えている柱もスゴイと思います。
先人達の知恵もスゴイです。
重厚ですね。。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2013-12-11 21:26) 

SORI

なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん こんばんは
ご指摘のように、このような建物を783年前に木造で作るとはすばらしい知識と技術だと思います。
by SORI (2013-12-11 21:34) 

昆野誠吾

機能的には「門」しかないけど
本当に立派な建築物です^^
by 昆野誠吾 (2013-12-11 21:41) 

SORI

昆野誠吾さん こんばんは
高野山の寺院の門はどれも見事でした。それだけ門を大切に考えているのでしようね。その集大成が、こちらの大門なのかもしれません。
by SORI (2013-12-11 22:05) 

hasseyおやじ

こんばんは。
荒波?の中を2尾の魚が泳いでいますね。緑の模様は何を表しているのでしょうか?唐草模様とは違いますよね?
by hasseyおやじ (2013-12-11 22:34) 

PENGUIN

SORIさん、こんばんは。
立派な門ですね。仁王様も迫力がありますね。
by PENGUIN (2013-12-11 22:35) 

mame

高野山は一度行ってみたい所です〜。
でも冬は寒そうかな?
by mame (2013-12-12 00:36) 

SORI

hasseyおやじさん おはようございます。
魚の絵を見てもらえたのですね。魚の絵に関する記述は見つかりませんでした。従って想像の域ですが、川の急流を鯉が登っている絵ではないでしょうか。緑が水を表しているのか緑の木々を表しているのかは定かではありません。
by SORI (2013-12-12 04:13) 

SORI

PENGUINさん おはようございます。
ほんと仁王様も門も立派です。創建当時、高野山が大切にされていたことを物語っているように感じました。
by SORI (2013-12-12 04:16) 

SORI

mameさん おはようございます。
標高が高いので寒いでしょうね。それだけに冬の高野山には厳しい姿を見ることが出来るかもしれません。
by SORI (2013-12-12 04:19) 

ちゅんちゅんちゅん

おはようございます!
想像以上に荘厳な門で
びっくりしました!

by ちゅんちゅんちゅん (2013-12-12 08:54) 

SORI

ちゅんちゅんちゅんさん おはようございます。
長い年月に耐えて来たのにも驚かされます。高野山にふさわしい、すばらしい門だと思います。
by SORI (2013-12-12 10:43) 

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