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大正時代の名物風呂 [箱根]

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家族6人で2013年8月24日に箱根の塔ノ沢温泉で泊まった宿の福住樓は今から123年前の1890年に創業され、沢山の文豪が定宿にしていたことで有名ですが、もう一つ有名なものがあります。それが上の写真の丸風呂です。
クリックすると雑誌を表示福住樓には4つのお風呂があります。それは、丸風呂が2つと岩風呂と家族風呂です。その丸風呂が有名なのです。大正時代に大きな赤松をくり抜いて組み合わせて造られた丸い湯船が、檜と杉で作られた湯殿の真中に一つ配置されていました。丸い湯船の淵は銅版で縁取られており、何とも言えない雰囲気を感じさせてくれます。大きさを知ってもらうために日本経済新聞が出版した雑誌「日本百名湯」に載っていた右の写真を掲載させていただきました。

透明な湯が静かに淵から溢れている単純泉で大正時代から沢山のひとたちを癒してきたお風呂です。この雰囲気も気に入りましたが、入った瞬間に湯船の深さにも驚かされました。背筋を垂直にして入らなければ溺れて今うほどの深さなのです。この深さが今の温泉にないもので、入ってみると体が実に温まる心地いいものでした。
参考に福住樓(ふくづみろう)のホームページの内容を枠内に転記いたします。
汲み上げられた源泉を天然の湧き水で調整し、そのまま24時間湯船へ。
身体をしんから温め、疲れを癒してくれる柔らかなお湯です。
大きな松の幹をくり抜き、組み合わせた名物の大丸風呂や岩風呂、家族風呂もぜひお楽しみください。
 湯本37号泉
 アルカリ性単純温泉・掛け流し
 源泉温度62.9℃ PH8.9
  疲労回復、健康増進、神経痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、うちみ、
  くじき、関節のこわばり、慢性消化器病、冷え症、病後回復期など
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2つの丸風呂の脱衣場です。ここには上で紹介した丸風呂より一回り小さい丸風呂もあります。手前が上で紹介した大きい方の丸風呂の脱衣場で、奥が次に紹介する丸風呂用の脱衣場です。2つの脱衣場との間には引き戸があり閉められる時間帯があります。それは岩風呂との組み合わせで時間帯により4つ組合せ(①~④)の運用がなされているからです。
私が泊まった時も19時までは①で19時以降が②で翌朝のある時間帯は③又は④でした。子供からの報告クリックすると全体配置図なので③か④のどちらかまでは確認できませんでした。私が入った夕方は①で早朝は②でした。
          ①   ②   ③   ④
  大丸風呂 男湯 女湯 男湯 女湯
  丸風呂   男湯 女湯 女湯 男湯
  岩風呂   女湯 男湯
岩風呂に入れなかった方も時間帯をずらすか翌朝に入れば丸風呂に入れると思います。


こちらが一回り小さい方の丸風呂の湯殿です。小さいと言ってもかなりの大きさです。
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湯船は、やはり赤松造りで黄銅での縁取りが印象的でした。


クリックすると記事を表示丸風呂の淵から静かに流れ出るお湯が源泉かけ流し温泉である証しです。源泉の温度が高いために、天然水で温度調節をされているそうです。右の写真は福住樓の玄関の写真です。
下の湯船の淵の写真は日本経済新聞が出版した雑誌「日本百名湯」から転用させていただきました。私が入った時は、このような写真を撮ろうと思っても湯気で、すぐにレンズが曇ってしまいました。
参考に日本源泉かけ流し温泉協会の「源泉かけ流し」の定義を紹介いたします。もちろん循環は論外で加水と加温の同時もあり得ません。
源泉とは
 ・温泉法で定められた温泉であること
 ・所有する自家源泉、または共同源泉からの引き湯を使用していること
かけ流しとは
 ・新しい湯を常に浴槽に注いでいること
 ・注がれた分だけの湯が浴槽の外にあふれていること
 ・あふれた湯は決して浴槽に戻さないこと
 ・湯量の不足を補うために、浴槽内で循環ろ過させないこと
源泉かけ流しとは
 湧き出したままの成分を損なわない源泉が、新鮮な状態のままで浴槽を
 満たしていること
  協会の加温と加水に対する見解は以下の通り
   ・基本はあくまでも“源泉100%”だが、入浴に適した温度にするた
    め、泉質を損なわない範囲での最低限の加水・加温は認める
   ・湯量不足を補うための水増し加水は認めない
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岩風呂もシャワーなど古いレトロな雰囲気がありました。調べた結果、やはり昭和初期に作られたものでした。こちらの湯船も深く、心身から温まるお風呂でした。もちろん岩風呂も24時間流れ続ける「源泉かけ流し」です。
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岩風呂の設備は昭和初期において最新のものだったことを感じさせてくれるレトロ感が良かったです。


家族風呂には入らなかったのでホームページの写真を使わさせていただきました。こちらも「源泉かけ流し」で豊富な湯量だから出来ることだと思います。
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クリックすると拡大今は利用できないようですが、少なくとも9年前には林芙美子や大佛次郎などの文人が好んで利用した、離れの風呂があったようです。離れの風呂の写真(左)を9年前の雑誌から拝借いたしました。下の写真は現在の茶室です。もしかしたらここにあったのかもしれません。
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コメント 32

ゲンママ

SORIさん、おはようございます。

趣きのあるお風呂ですね~
絶景の露天風呂もいいですが、私はこういう落ち着いたレトロなお風呂が好きです。丸いのがまたいいですね~
by ゲンママ (2013-10-26 08:00) 

toshi

こういう風呂、入ってみたいです。
by toshi (2013-10-26 08:03) 

SORI

ゲンママさん おはようございます。
なんといっても、お湯が気持ち良かったです。趣のあるお風呂にドブンとはいると疲れも吹き飛ぶ感じでした。木製で87年以上も使い続けているのにも驚かされました。ほんと珍しいのではないでしょうか。
by SORI (2013-10-26 08:21) 

SORI

toshiさん おはようございます。
おかげさまで箱根の宿を満喫することが出来ました。
by SORI (2013-10-26 08:25) 

PENGUIN

SORIさん、おはようございます。
大正風呂いいですね。母の実家がこんなお風呂でした。
温泉ではありませんけどね。
お風呂に入っている時は「日本に生まれて良かった」と思います(笑)
by PENGUIN (2013-10-26 08:28) 

ちゅんちゅんちゅん

おはようございます!
ステキなお風呂ですね!!!
一度浸かってみたいです(^^)
しかも温泉・・・なんて贅沢だわ~♪
by ちゅんちゅんちゅん (2013-10-26 08:32) 

kazu-kun2626

SORIさん おはようございます~
格調高い 湯殿 ですね
こおいうとこ 入ってみたいですよ
by kazu-kun2626 (2013-10-26 08:55) 

SORI

PENGUINさん おはようございます。
このような趣のあるお風呂に入ったのは初めてでした。特に木製の丸い大きなお風呂は初めてでした。ほんと気持ちよかったです。
日本人に生まれてよかったと感じるもう一つは白い熱々のご飯を食べた時です。
by SORI (2013-10-26 09:27) 

SORI

ちゅんちゅんちゅんさん おはようございます。
温泉と言えば濁ったお湯をイメージしていましたが、透き通ったお湯は、この湯船に似合って見事でした。すばらしいお風呂を考えたものです。
by SORI (2013-10-26 09:29) 

SORI

kazu-kun2626さん おはようございます。
木造の湯殿や湯船を維持するのは大変だと思います。おかげで格調高い雰囲気を味わうことが出来ました。感謝です。

by SORI (2013-10-26 09:47) 

hasseyおやじ

おはようございます。
珍しい温泉ですね。「おやじ」の地元でもお目にかかったことがないです。
でも、すごく深いとなると小さなお子さんには辛そうですね。。
by hasseyおやじ (2013-10-26 09:55) 

SORI

hasseyおやじさん おはようございます。
大人でも深いので、小さな子供さんの場合は立ってちょうどいいのではないでしょうか。
失礼して、よく洗った椅子をつかわさせてもらうのもいいかもしれまん。
by SORI (2013-10-26 10:04) 

きんれん花

今 源泉かけ流しのお風呂が減ってしまいました
一部源泉かけ流しなどを持つ旅館もありますが
此処はすべてかけ流し 良い場所を教えていただきました
by きんれん花 (2013-10-26 10:33) 

SORI

きんれん花さん おはようございます。
昔ながらの温泉宿なので温泉通の方には人気のようです。明治・大正のままの宿でした。
by SORI (2013-10-26 10:49) 

poko

こんにちは。
4つのお風呂で楽しめるなんていいですね~。
人が入ってる写真を見るとお風呂の大きさがよくわかりました。
by poko (2013-10-26 15:20) 

昆野誠吾

鍋かフライパンに人間が入っているように
見えてしまいました。
笑顔なので地獄絵図になりませんが^^;
by 昆野誠吾 (2013-10-26 16:02) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

丸風呂、なんか釜ゆでのような錯覚を起こしますね。(笑)
5人ぐらいは入れそうですね。
こう言うお風呂、オモシロイから好きですね。。
人の居ない写真だけを見ると小さく見えますが、
風呂桶と比べると、大きさが分かりますね。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2013-10-26 16:25) 

ムサシママ

時代を感じます
赤松をくり抜いてなんて、今では考えられない贅沢ですね
お風呂を、その時の気分で入り分けすればいいでしょうね
by ムサシママ (2013-10-26 16:58) 

SORI

pokoさん こんにちは
丸いお風呂は見かけによらず大きいのです。これを木で造っているのには驚きです。不思議な雰囲気でお風呂に入りました。
by SORI (2013-10-26 17:05) 

SORI

昆野誠吾さん こんにちは
確かに丸いと鍋やフライパンを想像してしまいます。それも楽しい話題になると思います。
by SORI (2013-10-26 17:26) 

SORI

なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん こんばんは
まさに釜ゆでの光景です。そうなんです。意外と大きいのに感激いたしました。温泉ですが透き通ったお湯にも感激でした。
by SORI (2013-10-26 17:31) 

SORI

ムサシママさん こんばんは
ことらの宿は明治から昭和初期を感じさせてくれました。お風呂も独特のものがあり評判になるのが判りました。
by SORI (2013-10-26 17:33) 

youzi

こんばんは♪ いつもありがとうございます。
丸いお風呂と言うと五右衛門風呂を思い出しますが、
このお風呂は数人入れるくらい大きいのですね。

by youzi (2013-10-26 20:06) 

SORI

youziさん こんばんは
丸いお風呂と言えば五右衛門風呂ですが丸い木のお風呂は初めてでした。お風呂と言えば檜をイメージしますが、赤松の木のお風呂というのも初めてでした。大きな赤松の丸いお風呂は印象的でした。
by SORI (2013-10-26 20:36) 

cafelamama

福住楼の丸風呂は、他に客がいるとちょっと気づまりでした。
岩風呂の方が、僕はリラックスできました。
by cafelamama (2013-10-26 21:26) 

SORI

cafelamamaさん こんばんは
福住楼に泊まられた経験が、おありなのですね。
ご指摘の通りですね。その点は気になるかたもおられると思います。そんな意味で、丸風呂は2つあるのかもしれません。私の場合は幸いにも丸風呂2つと岩風呂ともに一人で入ることが出来ました。というよりは写真を撮りたかったので一人になるように宿に到着したら休むことなすぐに、丸風呂に入りました。岩風呂に関しては早朝と書きましたがどちらかというと深夜に入りました。

by SORI (2013-10-26 21:57) 

COLE

風情ありますねぇ
by COLE (2013-10-26 22:44) 

SORI

COLEさん こんばんは
昔のままのなのが風情を感じさせてくれているのでしょうね。昔のままに残してくれているおかげです。
by SORI (2013-10-26 22:56) 

ガーデニア

こんばんは。福住楼には宿泊した経験があります。文豪縁の宿にあこがれて、大学を出てすぐの頃。香川から行きましたが、宿に着くと予約がないと言われてびっくりしたことを思い出しました。手違いだったのだと思いますが、℡できちんと予約したはずなのに…。結局お部屋は用意していただきましたが、そのことばかり思い出します。お風呂…、どうだったんだろう。アルバムをめくってみようと思います。なつかしいなー。平成初めの頃のページです。
by ガーデニア (2013-10-27 00:38) 

SORI

ガーデニアさん おはようございます。
福住楼には宿泊したご経験が、おありなのですね。でも予約して記録が無いとはショックですね。
20年前となると、今はありませんが、文人が好んで利用した離れのお風呂もあったようです。その写真を雑誌から拝借して追加させていただきます。思い出と照らし合わせて見てください。
部屋の名前はこちらかを見てください。
 http://blog-imgs-62.fc2.com/m/a/k/makurokurosk/Fukusumi-0-1.jpg
by SORI (2013-10-27 03:57) 

moto_mach

巨大な五右衛門風呂みたな感じですかね
by moto_mach (2013-10-28 07:49) 

SORI

moto_machさん こんばんは
丸いお風呂の代表格は五右衛門風呂ですね。五右衛門風呂も懐かしいです。
by SORI (2013-10-28 18:25) 

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