ホノルル美術館 Art of Hawaiʻi エリア編 [ハワイ]
写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
上の写真は現在噴火を続けているて話題になっているキラウエア火山を描いた作品です。ハワイ旅行の到着日(1日目)の最初に来たホノルル美術館(Honolulu Museum of Art)の西洋美術を「絵画編」として先日紹介しました。ホノルル美術館だからこそ充実しているのがハワイ美術です。ハワイを描いた絵、彫刻、装飾美術などが展示されているのがArt of Hawaiʻi(ハワイ美術)エリアです。上の作品もこのエリアにありました。本記事ではハワイ美術エリアを紹介したいと思います。タイトルの中のHawaiʻiはハワイ語です。iとiの間の点は で、英語で使われる とは違うのです。
ハワイ美術エリアはホノルル美術館の敷地の中の最も右上に位置する建物の2階にありました。赤色の枠で囲った部分です。
意外と現代的な作品が沢山並んでいました。
その中で気になったのがテレビゲームの中のキャラクターのような作品でした。調べてみると2002年6月21日に公開された ディズニー映画「 リロ&スティッチ 」の主人公であるスティッチなのですが、なぜホノルル美術館に本作品が置かれたてるのか不思議に感じました。どうやら理由は2つあるようです。一つは作家であるBrett Grahamは、ハワイが含まれるポリネシア圏に入っていニュージンランドの先住民であるマリオ族(ポリネシア人の一派)の血が入っており、そのブレット・グラハムが伝統的なマオリの彫刻の技法と現代の技法を組み合わせて作ったものだからのようです。もう一つの理由はリロ&スティッチ(Lilo & Stitch)の物語の舞台はハワイのカウアイ島であることのようです。
作家 ブレット・グラハム(Brett Graham) 1867年~
作品 snitch(スティッチ) オリジナル記事 記事翻訳
制作 2014年
素材 Carved foam, tar, feathers
また2008年からは沖縄を舞台にした日本版スティッチ!も登場いたしました。
こちらはハワイを感じさせてくれる作品が多くありました。カメハメハ大王の像が中央に置かれハワイの景色の絵画や刺繍が展示されていました。
こちにがカメハメハ大王像です。これは屋外に建てられているカメハメハ大王像のミニュチャアのようです。ハワイにはオアフ島に1体とハワイ島の2体の計3体が建てられています。ワシントンの国会議事堂にも1969年に建てられたので世界には計4体があります。クリックすると特別に大きく拡大いたします。
見事な刺繍も展示されていました。説明文を右に貼付いたします。作者の一人であるLioʻi Kaʻananaはハワイ語なので、少なくとも、一人は昔からのハワイの方だと思われます。クリックすると読める大きさに拡大いたします。
作家 Carolina Sharratt と Lioʻi Kaʻanana
作品 Ua Mau Ke Ea O Ka Aina I ka Pono-Halepualani
制作 1932年~1933年
素材 Silk satin, wool batting, cotton
上の写真はクリックすると拡大しますがクリックの面倒な方のために拡大写真を掲載します。クリックするとさらに拡大いたします。この構図はハワイ王国時代に咸臨丸がハワイに行った時にカメハメハ4世が1860年(万延元年)に木村喜毅に贈った自筆の紋章によく似ています。ただし、顔の向きが反対です。1882年に竣工のイオラニ宮殿の門の紋章は内向きなので王国時代は内向きだったようです。
作品名の「Ua Mau Ke Ea O Ka Aina I ka Pono」はハワイ語で、意味は「この地の生命は正義によって維持される / The life of the land is perpetuated in righteousness」だそうです。正確には「Ua Mau ke Ea o ka ʻĀina i ka Pono」と書かれるのかもしれません。ハワイ州の紋章にもこの言葉が使われています。ハワイ州の紋章にも同じ構図が使われていますが右側の人物はハワイ州の旗を持つ女神になっています。ハワイ州の紋章はハワイ王国の紋章から作られたものだと思われます。
刺繍ではない不思議な素材の大きな作品が壁にかかっていたので紹介します。
作家 James Jack 1979年~
作品 Molokai Window
制作 2018年
素材 Natural pigment, gum arabic on wood
こちらも拡大いたします。ネットから転用させていただいた右の写真のように土などの自然の色素を入れたアラビアゴムを木板の上に指で塗り付けた作品のようです。下の写真をクリックすると撮った写真の原寸で表示します。
冒頭で紹介したキラウエア火山です。
作家のAmbrose Pattersonはオーストラリア人の画家で、メルボルン美術学校を卒業した後にパリで腕を磨いたようです。オーストラリアに戻った後にシドニーからニューヨークに行く途中にホノルルに降りて1916年から18ケ月間ほどハワイに住んでいたそうです。この作品はその時に描いたものと思われます。
作家 Ambrose Patterson 1877年~1966年(89歳没)
作品 Mount Kilauea, The House of Everlasting Fire
制作 1917年
迫力のある部分を拡大しました。クリックするとさらに拡大いたします。
ホノルル美術館のArt of Hawai'iエリアに関するWikipediaの記載内容を枠内に転記する形で紹介します。
ハワイの、文字ではなく豊な絵で表現されてきた伝統は、ハワイを描いた絵、彫刻、装飾美術などのコレクションのなかに保存されている。このホノルル美術館のコレクションは、おそらく他のどこよりも優れているであろう。絵画と紙を使った作品がコレクションの中心で、キャプテン・クックがハワイに遭遇した1778年から今日までを網羅している。それらの作品は、18世紀後期から19世紀初頭のヨーロッパやロシアのハワイ遠征隊に伴ってきた画家達や、19世紀の放浪画家達によって描かれたハワイの風景、ハワイの人々の肖像画などである。
ホノルル美術館が所蔵するハワイの鳥の羽製ケープ、木製ヘイアウ(寺院)模型、瓢箪、見事なハワイアンキルトなどは、ハワイで育まれた芸術の宝物である。当館のハワイコレクションは、1778年から始まり現在までいたる。そして、160年以上にわたり、ハワイそして、そこに住む人々に及ぼしてきた一連の劇的な変遷を明らかにしている。
2018-06-27 23:59
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コメント(30)
SORIさん お早うございます。
キラウエア火山は、何度となく噴火を繰り返し
美術館に飾られる絵にも描かれているんですね。
ハワイは海を楽しむばかりでなく、美術館も回る
余裕のある日程が良いですね(^_-)
by tarou (2018-06-26 09:04)
おはようございます。
刺繍や刺繍のような物、気になります。
説明書、読めませんでしたぁ~(-_-;)
素晴らしいですね。実際に見てみたいです。^^
by k-sakamama (2018-06-26 09:12)
tarouさん おはようございます。
火山を初めハワイの景色を描いた絵が多く飾られていました。それだけでなく現代アート的な作品も多くみられました。
by SORI (2018-06-26 09:33)
k-sakamamaさん おはようございます。
両方ともに天井まである作品で迫力がありました。
Google翻訳しても難しい内容でした。
せっかくなのでオリジナルを下記に転記します。
Molokai Window is a meditation on the ecological and social well being achieved through knowledge systems that support life-ways in tune with patterns of nature.
Painted with dirt from the east side of Molokai, this artwork is the result of a multi-year process between the artist, James Jack, and community members of Molokai as they shared ideas about the relationship between people and land. The place from which to borrow dirt came after much discussion with community partners. The decision was made to borrow dirt from an area of the east side that once served as an economic epicenter for the island and is now a hub of activity for initiatives around sustainability. An indication of both historic abundance and of new beginnings, the dirt painted here signals potential in Molokai's deep commitment to maintaining a reciprocal relationship with the earth's elements.
by SORI (2018-06-26 10:19)
スティッチの像があるなんて!!
さすがハワイですね~^m^
by Rinko (2018-06-26 13:04)
キラウエア火山は未だに溶岩が流れ出してるんですね。
島がだんだん大きくなっていくかな?。
博物館はいろんな展示もので見て楽しめそうですね。
by 旅爺さん (2018-06-26 13:05)
SORIさん こんにちは。
僕はアート音痴ですが、キラウエア火山を描いた絵に迫力を感じます。
溶岩の流出は続いているようですね。大自然の力に対して
人間の力なんて無に等しいと大震災で改めて感じました。
by johncomeback (2018-06-26 13:19)
SORIさん、こんにちは。
キラウエア火山、迫力ありますね。
スティッチの像も刺繍の作品も小さいのかと思ったら
結構大きな作品で驚きました。
by poko (2018-06-26 14:14)
カメハメハ大王像は、ホノルル郊外で見たことがあります。
衣裳は、ハワイ伝統の衣裳ですね。
by kohtyan (2018-06-26 14:24)
Rinkoさん こんにちは
スティッチを御存じだったのですね。その場で我々は見たことがあることは判ったのですが、ディスニー映画の中に出てくる主人公であることまでは分かりませんでした。
by SORI (2018-06-26 17:41)
旅爺さんさん こんにちは
ハワイ諸島は全て約510万年前から続いている火山噴火で出来たものなので、全体が北西に移動しながら数十万年~数百年万年単位では南東方向に島が大きくなると共に、新しい島が増え続けていくのだと思います。ハワイ諸島の島の形成は次の通りです。
カウアイ島 510万年前
オアフ島 370万年前
モロカイ島 190万年前
ラナイ島 128万年前
マウイ島 132万年前
ハワイ島 43万年前 火山活動中
次の新しい島 数十万年先 ?
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/n/naturalist2008/20090110/20090110233554.jpg
by SORI (2018-06-26 18:06)
johncomebackさん こんにちは
大陸移動や火山の噴火という自然の力の前では人の力は小さいですね。それでもハワイ島の人達は火山と共に暮らしていました。
by SORI (2018-06-26 18:13)
pokoさん こんにちは
特に刺繍は大きかったです。ハワイにちなんだ作品が沢山あったので大満足でした。
by SORI (2018-06-26 18:21)
kohtyanさん こんにちは
特に金色のガウンが特徴のようです。黒色ハチドリに4枚だけある黄色の羽で作られたもので400万枚の羽で作られているために作るのに100年が必要だそうです。ビショップ博物館に代々の王のガウンの本物が保管されているとのこちなので見に行きました。ハチドリが殺されてしまうのかと心配される方もおられると思いますが、ご安心ください。数枚だけ抜いて離すそうです。
by SORI (2018-06-26 18:32)
ハワイと言えばリロアンドスティッチですね~キラウエア火山いってみたいですが今入れるのかな?
by みぃにゃん (2018-06-26 19:19)
みぃにゃんさん こんばんは
ハワイと言えばリロアンドスティッチ でしたか。イベント(展覧会)に依頼されて作ったそうです。キラウエア火山のある火山国立公園に入るのはまだ入れないようです。国立公園以外の場所の訪問は問題ないそうです。
by SORI (2018-06-26 20:14)
キラウエア火山、ハワイ島に行った時は雨で全く見えず・・・
昔流れた溶岩の上を歩いて(溶岩で道路が寸断されるので
溶岩を避けて新しい道を作る方が安上がりと言ってました^^)
自然の脅威とハワイ島の人たちのたくましさを体感しました(°_°)
スティッチも美術館に飾られてるんですねぇ(⌒-⌒; )
by ニッキー (2018-06-26 22:11)
ニッキーさん こんばんは
確かにハワイ島の溶岩は「半端ない」でした。火山で出来た島ですが高さが標高が4200mですから、その規模が実感できました。
by SORI (2018-06-26 22:18)
キラウエア火山は太古から
噴火の歴史を辿ってるんですね
見事な絵です
by kazu-kun2626 (2018-06-27 06:52)
kazu-kun2626さん おはようございます。
太平洋の真ん中に火山で出来た島であることから紀元前500年~3世紀の間にポリネシア人が渡ってくるまでは、海を渡ってくれる鳥や泳ぐ動物や昆虫以外の動物もいない場所でした。太古からの歴史から見れば人間や陸上動物が住む環境はほんの一瞬だったのだと実感いたしました。
by SORI (2018-06-27 09:15)
ソネブロ不調。なかなか参れません。ご容赦。
by 夏炉冬扇 (2018-06-27 10:55)
夏炉冬扇さん おはようございます。
https化で生涯が出ているのでしょうか。
by SORI (2018-06-27 11:42)
あの可愛いはずのスティッチが・・・こわっ(泣)
by むうぴょんこ (2018-06-27 12:21)
むうぴょんこさん こんにちは
作者の名前を検索するとWikipediaでは本人の顔写真は出ないで、この真っ黒なスティッチが出てきました。
意外と有名な作品のようです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Brett_Graham
by SORI (2018-06-27 14:30)
スティッチが美術館に!!
ビックリです。
娘が大好きで、ぬいぐるみが何体あるかわかりません。
行きたいって言うかも^^
by リンさん (2018-06-27 19:31)
リンさんさん こんばんは
きっとお嬢様が喜ばれると思います。私も驚きました。
ハワイ美術のエリアはバラエティーに富んでいる印象でした。
by SORI (2018-06-27 21:41)
「ホノルル美術館」は逆走しません。忙しいですが面白いし、ためになるので。私のアホなブログとは大違い。芸術は…爆発だっ!
しかしハワイ・オアフ島といえば高見山ですなぁ。
by リス太郎 (2018-06-28 23:19)
リス太郎さん おはようございます。
高見山はハワイ出身の力士の道を開いた英雄のような気がします。今から54年前の1964年に5年間衣食住を保障する条件でスカウトされたそうです。1984年5月に引退するまでに122場所務めたそうです。
by SORI (2018-06-29 02:11)
なんでそんな細かいこと知ってんねん。(笑)
by リス太郎 (2018-06-29 23:42)
リス太郎さん おはようございます。
元々知っていたわけではなくて記事を書くために調べました。私自身も勉強になりました。
by SORI (2018-06-30 03:37)