ベトナム戦争のユニークなモニュメント [ハノイ]
10年以上(諸説により10~14年)続いたベトナム戦争が1975年4月30日にサイゴン(現在のホーチミン)が陥落して終戦となってから39年が経ちました。最新の近代兵器を沢山投入したアメリカが負けた戦争としても有名です。ハノイには敵国の兵器の残骸で作られたユニークな戦勝記念モニュメントがありました。上の写真はクリックすると拡大します。
ここは以前紹介した右の写真のフラッグタワーのそばの軍事博物館で、いろんな昔の兵器が飾られていました。悲惨な戦争だっただけにいろんな思いが込められたモニュメントのような気がしました。戦争のことを忘れかけていたことを思い出させてくれるモニュメントでした。単にユニークという表現は適切ではないのかもしれません。ベトナム戦争の悲惨さを感じていただくために犠牲になった数値を紹介します。下記は死者の数ですが負傷者は膨大な人数になると思います。北ベトナムに対する北爆は約223万トンの爆弾が投下され死者5万人以上の被害が出ましたがアメリカ側も1000機の航空機を失いました。戦闘で失った数を含めると2700機を失いました。
ちなみにWikipediaによると太平洋戦争での日本の犠牲者は1,740,955人(戦闘員)+393,000人(民間人) =2,133,955人です。一方、厚生労働省は戦没者を240万人としており、1963年の閣議決定および同年8月15日の全国戦没者追悼式のでは、戦没者を310万人(戦闘員230万人+民間人80万人)としています。原爆を含む本土空襲では588,561人(Wikipedia 一説では100万人)の命が失われました。沖縄戦では94,000人の住民が亡くなりました。
南側 北側 合計 アメリカ軍
推定戦死者 285,000 1,177,000 1,462,000 58,245
行方不明者 1,490,000 604,000 2,094,000 約2,000
民間人死者 1,581,000 3,000,000 4,581,000
合計 3,356,000 4,781,000 8,137,000
モニュメントの近くには中世の石の砲弾と大砲も置かれていました。
史上最大の死者数の戦争は戦闘員+民間人総計で5000万~8000万人の死者となったとされる第二次世界大戦です。民間人が3800万~5500万人と戦闘員の死者2200万~2500万人よりも多く亡くなったのも第二次世界大戦です。数値からも近代兵器の恐ろしさを感じます。石を大砲の弾に使っていた昔には戻れない、戦争は起こしてはならない域になってきたと実感いたします。