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王の散歩道 L’Allée royale(ロイヤル通り) [ヴェルサイユ宮殿]

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
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クリックすると拡大ヴェルサイユ宮殿の庭園の中でランチを食べた後は宮殿に戻りました。上の写真は大運河(Grand Canal)の湖畔から宮殿を見た景色です。
一番手前にある噴水は「アポロンの泉水(Bassin d’Apollon)」です。右の写真は宮殿から大運河の方向を見た景色です。この景色の中を歩いて宮殿に戻りました。その景色を順に紹介したいと思います。
大運河から宮殿前のラトナの階段までを「王の散歩道」と呼ばれています。あるいは「ロイヤル通り」とも言われています。「王の散歩道」は中央に緑の芝生が帯状に広がっていることから別名「 緑の絨毯」とも呼ばれ、全長335m、幅40mあります。設計はルイ13世の時代で、後にル・ノートルが大々的な整備を行って拡張し、12体の彫像と12の壷を対称的に配置したそうです。
両側には、それぞれの木立ちが配置され、歩を進めるにしたがって人々が異なった木立ちを発見できる仕組みになっているそうです。

航空写真で歩いたルートを紹介します。航空写真の中の橙色のライン(━━)がランチを食べたレストランから歩いた「王の散歩道」です。
  ━━ 散策ルート
  ━━ ミニ・トレインのルート
   ランチを食べたレストラン La Flottille
   ヴェルサイユ宮殿 


こちらの写真も冒頭の写真と同じ場所から撮ったものです。カメラのレンズのズームの倍率が違うだけなのです。冒頭の写真は拡大されていることが判ってもらえると思います。
この写真はレンズの焦点距離が24mmに対して、冒頭の写真のレンズの焦点距離は105mmなので4.375倍に拡大されていたのです。
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同じ場所から大運河の方向も撮りました。大きな十字架の形をした湖である大運河(Grand Canal)は日本語では大水路とも訳されています。フランス語の Grand Canal は Le Grand Canal とも書かれます。
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大運河の湖畔を歩いて最も右側(南側)まで来たところからの宮殿方向の景色です。木々に隠れて宮殿は見ることは出来ません。
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さらに進んで「アポロンの泉水」の真横まで来て撮った写真です。
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「アポロンの泉水」と反対側の景色です。緑の中の小道がきれいでした。
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庭園の中央まで移動して宮殿を撮りました。撮影は105mm(4.375倍)なのでズームレンズ24-105mmで精一杯拡大した写真です。
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王の散歩道は右側(南側)を進むことにいたしました。焦点距離24mm(1.0倍)での景色です。
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こちらは105mm(4.375倍)で撮ったので、進んでいるように見えますが、上の写真とほぼ同じ場所からの景色です。
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道の脇には素敵な雰囲気の場所がいくつもありました。
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こちらも105mm(4.375倍)で撮った写真です。2枚上の見比べてもらうと少し進んだことが判ると思います。
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このような小道がいくつもありました。上で写っていた女性は右に曲がって、その小道の方に進みました。焦点距離は67mm(2.79倍)です。
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大運河の方向に振り返った景色です。105mm(4.375倍)での景色です。
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同じ場所から24mm(1.0倍)で撮った大運河方向の写真です。
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同じく24mm(1.0倍)で撮った宮殿方向です。まだ宮殿まで距離があります。
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宮殿前のラトナの階段(Escaliers de Latone)下の広場まで来ました。見えている大噴水は「ラトナの泉水(Bassin de Latone)」です。こちらの焦点距離は47mm(1.958倍)です。
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同じ場所から大運河方向を撮りました。焦点距離は105mm(4.375倍)です。
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ラトナの泉水の頂部の女神と思われる彫像です。女神にとまっているカラスが気になりました。
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頂部の彫像以外の彫像は金色に飾られていました。彫像のカエルとカメが大部分を占めていました。こちらが北側です。特にカエル(蛙)の数は多かったです。
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そしてこちらが南側です。
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こちらがラトナの泉水(噴水)の全体です。ラトナの泉水はオヴィデウスの変身物語の中の一場面で、アポロンの母とディアナの伝説を描いたものだそうです。カエルたちは変身させられた農民たちのようです。
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宮殿が建っている高さまで上って王の散歩道の方を振り返った写真です。
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ラトナの伝説を枠内に転記いたしました。
ラトナの伝説
アポロンとディアナの母でジュピターの愛人であるラトナは、ライバルのユーノーから生涯追放の宣告を受けます。ある日、現在のトルコ南部に到着し、喉の渇きを癒そうと沼に近づきます。しかし地元の農民に愚弄され、それに腹を立てたラトナは、農民に呪いの言葉を浴びせ、蛙に変身させてしまいます。ラトナの泉水は、オヴィデウスの『変身物語』の第6巻に語られたエピソードに由来しています。

ラトナとジュピターのライバル関係
ギリシャ神話のレト神と同一視されるラトナ神は、コイオス神とフォイベ神の娘。ジュピターの愛人となり、アポロとディアナの二子をもうけます
ジュピターの妻ユーノーは、ラトナの妊娠を知って激怒します。ユーノーはライバルを国外に追放し、いかなる土地も彼女の出産を受け入れてはいけないという命令を発します。生涯追放の不遇に見舞われたラトナは、東西を放浪し、デロス島に一時的な隠れ場を見つけてアポロンとディアナを出産します。
ラトナは双子を出産するや、ユーノーの憤怒から逃れるために再び逃亡を始めなければなりませんでした。ラトナの旅はリュキア国境まで続き、そこでおきたエピソードがヴェルサイユの庭園の物語の由来となっているのです。

ラトナとリュキアの農民との遭遇
逃走中のある時、ラトナは現在のトルコ南部にあたる小アジアのリュキアに到着します。くたくたで喉もからからの彼女がその地に足を止めると、谷底に池があり、その周りで農民達がイグサや海藻を採っているのを発見します。澄み切った沼の水に引かれ、喉の渇きを潤そうと近づきます。水面に顔を傾けると、農民達がそれをはばみ、水を飲ませてくれません。驚いたラトナは農民達をなだめてこのように答えます。
「どうして私にこの水を拒むのですか? 水は皆のものです。善良で賢い自然は、万人に空気、光、水を与えました。皆に等しく与えられた恵みに私もあずかりたいのです。ですが、私はあえてあなたたちに懇願します。私が望むのは、疲れたはてたこの体を冷やすためではなく、喉の渇きを潤すだけなのです。口の中がカラカラで声を出すのもままなりません。私にとってこの水は美酒に相当します。一生のお願いです。どうかこの水を飲ませて下さい。ああ! この胸にもたれているわが子2人が差しのべるひ弱な腕に、どうか触れてあげてくださいませ。」
こうした哀願にも耳を貸さず、農民達は拒み続けます。命令に従ってこの場を去りなさいととラトナを脅します。ラトナに水を飲ませまいと、農民達は沼に飛び込み、水の底で足踏みをし腕で水をかき混ぜ、水面に厚い泥を浮き上がらせます。

ラトナの怒りと変身
逆上したラトナは、喉の渇きも忘れ手を天に差しのべこう叫びます。「汝らよ、いつまでも池の淵で生きるがよい!」 やがて彼女の願いがかない、農民の体が変身していきます。
狂気に捕らわれた農民達は、たちまち池に飛び込みます。もぐっては浮かび、再びもぐっては水面に顔を出し、最後にはまた水中に消えていきます。潜水を繰りかえしながら、農民らはラトナを罵り続けます。罵倒の声は水中からも聞こえました。やがて農民達の声が変化し、喉が膨れ、口が大きくなり、首が肩に陥没し、背中が緑色にそしてお腹が丸く白くなっていきます。こうしてリュキアの農民の体は蛙となり、ラトナが誓った復讐どおり、蛙となって永遠に池の淵で生きることになったのです。

ヴェルサイユの庭園の逸話の意味
ヴェルサイユの庭園の中心であるラトナの泉水は、こうしたラトナとリュキアの農民の出会いの逸話がもとになっています。
最上段にある集合像は白い大理石で作られました。アポロンとディアナの2人の子供は哀願するように農民に手を差し延べています。レトナは空を見上げ、口を半ば開いて農民達に呪いの声をつぶやきます。壇上にある大理石のまばゆい白さが、下段に設置された鉛の像とのコントラストを印象づけています。
 半人半獸の像は、6人の農民の体が変身しているところです。ほぼ人間のままの者もいれば、手がシュロの葉の形に変わりすっかり蛙に変わっている者もいます。彼らの口から吐き出される水は、ラトナに浴びせるののしりを表しています。

追伸
今日(2016年10月23日)から10月28日まて中国に行ってきます。フライトは下記の通りですが、帰国までの間は、ネット事情から皆さんのところに訪問できないことをお許しください。最寄駅が7時21分の電車に乗る予定なので、7時10分には家を出る予定です。