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本川岸の山車の「のの字廻し」 佐原の大祭 2018年7月14日  [佐原 潮来]

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。

千葉県香取市佐原で2018年7月13日~15日に行われた「佐原の大祭」の7月14日(土曜日)の18時30分から20時まで、10台の山車(だし)の連続「の字廻し」が行われ、運よく最前列で見ることが出来ました。寺宿通りに並んだ上仲町荒久本川岸八日市場浜宿、寺宿、田宿、仁井宿、船戸、下仲町の順番に行われ、上仲町と荒久の「の字廻し」はすでに紹介いたしました。今回は3番目の本川岸(ほんがし)の山車の「の字廻し」を紹介したいと思います。本川岸の山車の「の字廻し」に関しては最初から最後までのフルの動画を撮りました。クリックすると拡大クリックすると拡大フルの動画を撮ったのは10台の内の3台だけなので是非とも見てもらいたいと思います。3台しかフルの動画を撮らなかったのはカメラの電池容量に不安があったからです。右の図をクリックすると佐原の大祭のパンフレットの中の詳細スケジュールを表示します。上仲町の「の字廻し」は回転させる位置に着いたとたんに廻し始めましたが、本川岸は位置に着いてから回転が始まるまで42秒間かかったので少し長めの動画になっております。途中をカットしようかとも思いましたがせっかくのフル動画なのでそのまま掲載させていただきました。

2番目の荒久の「の字廻し」が終わって荒久の人達が退場すると、背中に「天細女命」と書かれた浴衣を着た人たちが入場してきて周りを囲みました。通りの向かいに青色の浴衣の4人の背中にも「天細女命」とかかれています。「天細女命」の浴衣を着ていたのは全員ではなく比較的年配の人だったので、本川岸地区の古役(こやく)あるいは当役(とうやく)の人達のように感じました。当役(とうやく)より若い人が若連(わかれん)です。周囲のあちらこちらから、「天細女命」はなんと読むのだらという声が聞こえました。「天細女命」は「あめのうずめのみこと」と読み、日本神話に登場する神です。「岩戸隠れ」の伝説などに登場する芸能の女神であり、日本最古の踊り子だそうです。実は本川岸の山車の飾り物の人形が「天細女命」だったのです。
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寺宿通りに並んだ本川岸地区の山車です。寺宿通りに先頭から上仲町荒久、本川岸、八日市場、浜宿、寺宿、他宿、仁井宿、船戸、下仲町と並び、前から3番目が本川岸の山車でした。
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人形を拡大いたしました。日本書紀(720年)では天鈿女命と書かれていますが、古事記(712年)では天宇受賣命と書かれているそうです。
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人形を下げた時の状態です。低い電線のある道路も行くことが出来るように考えられた工夫です。他の山車にも同じ工夫がされていました。
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本川岸の山車の説明板が置かれていました。パンフレットでは制作は明治15年と書かれていましたが本説明板では明治16年となっていました。重量は4.1トンなので乘っているお囃子の人達の体重や飾り物の重量を入れると5トン近くになると思われます。
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 高さ 十四尺 4.2m
 正面  九尺 2.3m
 奥行 十一尺 3.3m  
 重量 千百貫 4.1トン
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本川岸の山車が入ってくるところです。動画はコンデシを高く掲げで撮っているので同時に写真は撮れないのです。大きな一眼レフのカメラ(Canon 5D)は家内に渡して写真撮影は任せました。それだけでは足らないので動画から加工して写真にいたしました。こちらは動画から加工した写真です。
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徐々に「の字廻し」が行われる交差点に近づいてきました。こちらは家内が一眼レフで撮った写真です。目線が低い写真が家内の撮った写真で、少し高い位置からの写真が動画からの加工写真です。
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山車が交差点に入ってきました。
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回転位置に来て、回転が始まった瞬間です。香取街道方向に沈む太陽が見えます。丁度、太陽が沈む時刻でした。
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若連衆の頑張っている写真を3連連続で紹介します。回す棒が見物客に最も近づく部分ですれすれを廻っていきます。
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我々の方に廻ってきました。
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1回転目なので若連の人達も、まだ余裕は残っているように感じました。
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若連の人達の動画も紹介します。冒頭の動画から切り取りました。


クリックすると拡大山車が廻っている最中の天細女命です。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れて世界が暗闇になったとき、エロティックな動作の舞を天岩戸の前で踊って、天照大神に戸を少し開けさせたのが天細女命(あめのうずめのみこと)だったのです。この神話を思い出した方も多いと思います。天岩戸の前のエロティックな舞の詳細に関しては、ちょっと書きずらいので古事記の記載を読んでいただきたいと思います。
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大祭では子供たちも主役です。扇子を振って盛り上げてくれています。
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もちろん女性陣も祭の花でした。
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冒頭の動画から女性陣の部分を抜粋した動画を紹介します。


テレビ局の人だけは中での撮影が許されていました。一緒に回りながら撮影されていました。佐原の大祭は夏祭り(7月・本宿祇園祭)と秋祭り(10月・新宿秋祭り)の年2回行われています。それぞれ神社も違い山車(だし)も違いそれを担当する地区も違うのです。佐原(さはら)の中を流れる小野川の東側が夏祭り地区で、西側が秋祭り地区になります。
 夏祭り 八坂神社 山車10台 金曜~日曜日(7月10日以降)
 秋祭り 諏訪神社 山車14台 金曜~日曜日(10月第2土曜日)
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終盤になると若連の人達も全員が力を出すために眼をつぶっている状況でした。上仲町の時と同様に回転時間を調べてみました。倍の数値は1回目に対するかかった時間の比率です。上仲町に比べると1周目は2倍の時間を要していますが安定したスピードで廻っており、5回転合計は232秒(本川岸)≒216秒(上仲町)と上仲町と似た数値となっています。着色文字をクリックするとその回転が始まるところからの動画を表示します。
 1回転目 41秒(360°) 1.00として
 2回転目 48秒(360°) 1.17倍
 3回転目 49秒(360°) 1.20倍
 4回転目 51秒(360°) 1.24倍
 5回転目 43秒(330°) 1.14倍 合計232秒(3分52秒) 平均47.2秒/回転
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終了して西に向かっているところです。沈みかけた太陽がまだ残っていました。
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完全に会場から出たところです。
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佐原駅で配られていた佐原の大祭の山車と人形などの飾りの説明部分です。青枠の部分が今回の山車に関する部分です。クリックすると文字の読める大きさに拡大いたします。
 ① 山車の制作年    :明治15月年(1882年)
 ② 飾り物の制作年/作者:文化元年(1804年)/鼠屋五兵衛(戦後大修復)
 ③ 額の文字      :咲樂(しょうらく)
 ④ 一口メモ      :江戸の人形師鼠屋の銘が御頭内部に確認された。
              通称おかめさんは現存最古の飾り物と判明。
 ⑤ 担当の下座連    :新和下座連
 ⑥ 地区        :本川岸(ほんがし)
 ⑦ 飾り物       :天細女命(あめのうずめのみこと) 
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