熱中症搬送者数 2018年7月と8月と9月 [話題]
写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
2018年10月03日追記 タイトル:9月のグラフを更新
総務省消防局から2018年9月24日~9月30日の1週間の熱中症搬送者数が公表されたのに伴い9月のグラフを完結版にいたしました。今年の7月と8月のは熱中症に関しては最悪の状態でしたがやっと正常な状態に戻った感じです。搬送者数の更新は1週間ごとです。
比較のために6月のグラフを追加いたします。最高気温は東京と豊田市だけではありますが、30℃を下回っても油断できないようです。
2018年4月30日からのグラフです。すでに下の方で記載していますが、上の2枚のグラフとセットで見ていただきたいのでこちらにも掲載いたしました。
東京において夏に向かう中で最後に最高気温が20℃(25℃)を下回ったのは6月16日(6月23日)で、夏が終わって最初に最高気温が20℃(25℃)を下回ったのは9月21日(9月2日)でした。
2018年8月10日追記 9月04日更新 タイトル:8月も終わりました。
総務省消防局から2018年8月27日~9月02日の1週間の熱中症搬送者数が公表されたのに伴いグラフを更新いたしました。これで8月のグラフは完結いたしました。最近は気温も落ち着いていましたが、安心は禁物です。これからも多くの場所で危険レベルや厳重警戒レベルがでるものと思われます。
右のマークをクリックすると詳しい説明(危険、厳重警戒、警戒、注意)を表示します。
7月1日~7月31日の搬送者総数は52,819人(4月30日~9月16日の総数は93,834人)となり、8月は29,795人に達し、死者も18人(4月30日~9月30日の総数は158人)が出てしまいました。
下は2010年からの6~9月の各月の熱中症搬送者数と死者数のグラフです。本グラフの大きなグラフは記事の最後に掲載しています。総務省消防庁で集計を開始した2008年の以降で2018年は最悪の数値になっています。今までに掲載した下のグラフも更新させていただきました。
高齢者の熱中症での搬送者数が約50%を占めていることが連日報道されています。下記のようなグラフだけであれば、子供(7~17歳)の搬送者数は少ないように思われがちですが、実は子供の人口自体が少ないので、人数あたりで比較すべきだと思います。
年齢別人口(2013年10月1日)
高齢者 65歳以上 3190万人 25.1%
成人 18~64歳 7543万人 59.3%
子供 7~17歳 1259万人 9.9%
幼児 6歳以下 738万人 5.8%
判りやすくするために人口当たりの搬送者数のグラフを作りました。このことから7~17歳の子供も高齢者と同じくらい気を付けんければならないように感じます。7月後半から8月は他の年齢層よりは下がっているのが夏休みに関係しているとするならば、就学時の7月の学校での対策が重要なのかもしれません。
上のグラフの6月24日以前は判りにくいので「全年齢の人口当たりの搬送者数」に対する「各年齢の人口当たりの搬送者数」のグラフを作りました。そうすると子供(7~17歳)は前半ほど比率が大きいことが判りました。平均の2.5倍になったこともありました。
熱中症予防において子供(7~17歳)に対する対策が重要なことを視覚的に伝えたいので人口当たりの搬送者数で重みのグラフを作ってみました。高齢者よりも子供の方が人口当たりの搬送者数が大きくなる週も沢山あることが判ってもらえると思います。体力的に弱い6歳以下の数値が小さいのは親を中心に大人がしっかりと守っているためだと思われます。
2018年8月1日更新 タイトル:グラフ更新
総務省消防局から2018年7月23日~29日の1週間の熱中症搬送者数が公表されましたので掲載していたグラフの一部を更新いたしました。7月1日~7月29日の搬送者総数は49,931人(4月30日から9月30日の総数は95,073人)となり、悲しいことですが死者数も119人(4月30日から9月9日の総数は158人)となりました。総務省発表の記事を枠内に紹介します。
熱中症搬送 3カ月で、昨年の5カ月分上回る 総務省発表毎日新聞 2018年7月31日 18時59分総務省消防庁は31日、熱中症の症状で4月30日から7月29日に救急搬送された人数が全国で5万7534人になり、昨シーズン(5月1日から9月30日)の5万2984人を既に上回ったと発表した。死者は125人だった。
2008年の集計開始以降、1シーズンの搬送数が最多だったのは13年(6月1日から9月30)の5万8729人で、今シーズンはこれを大きく上回りました。 7月23~29日の1週間に救急搬送されたのは1万3721人、死者は39人。搬送者が最多の2万2647人だった16~22日と合わせて、同月中旬以降の搬送が急増している。・・・・・・・・【浜中慎哉】
2018年7月25日掲載 タイトル:熱中症搬送者数 2018年7月
連日暑い日が続いています。5年ぶりに国内最高気温を記録した埼玉県熊谷の41.1℃(2018年7月23日)など、テレビでも異常に高い気温や熱中症搬送数が話題になっています。熱中症のために沢山の方が亡くなっており、心よりお悔やみ申し上げます。上は総務省消防局から公表されている1週間ごとの熱中症搬送者数をグラフにしたものです。
総務省消防庁から7月24日午前に「熱中症の症状で7月16~22日の1週間に救急搬送された人数が全国で22,647人にのぼり、1週間分の集計を始めた2008年以降では最多となり、このうち65人が死亡し、1週間の死亡者数も2008年以降で最多となった。」との発表の記事が載っていました。
グラフから2017年に比べると、ここ2週間が異常であることが判ります。そして7月23日にピークに達して歴代最高記録も更新するに至りました。歴代最高気温ランキングは次の通りです。10位までに2018年7月が3つ入っています。各場所の観測史上1位の値を使ってランキングを作成したものです。ちなみに最低気温の1位は北海度旭川で1902年1月25日に記録した-41.0℃です。
順位 場所 観測日 最高気温
1 埼玉県熊谷 2018年7月23日 41.1℃
2 岐阜県美濃 2018年8月08日 41.0℃
2 岐阜県金山 2018年8月06日 41.0℃
2 高知県江川崎 2013年8月12日 41.0℃
5 岐阜県多治見 2007年8月16日 40.9℃
6 新潟県中条 2018年8月23日 40.8℃
6 東京都青梅 2018年7月23日 40.8℃
6 山形県山形 1933年7月25日 40.8℃
9 山梨県甲府 2013年8月10日 40.7℃
10 和歌山県かつらぎ 1994年8月08日 40.6℃
10 静岡県天竜 1994年8月04日 40.6℃
12 山梨県勝沼 2013年8月10日 40.5℃
13 新潟県三条 2018年8月23日 40.4℃
13 埼玉県越谷 2007年8月16日 40.4℃
1日ごとのグラフも掲載いたします。東京の最高気温と愛知県豊田市の最高気温もプロットいたしました。7月14日頃から異常な状態が始まりました。小学校の判断ミスで愛知県豊田市の小学1年生(6歳)が亡くなったのが7月17日でした。豊田市の最高気温は7月14日から37℃を越える状態が続いていました。子供の安全を最も考えなければならない大人の判断ミスで朝元気に出て行った子供が亡くなるのは悲惨で残念なことです。両グラフ(週ごと、日ごと)ともに救急車で搬送された人数なので実際にはもっと多いと思われます。全国各地で最悪の気温を記録した2018年7月23日以降は、幸いにも気温が下がってきています。
上と同じ内容で2018年4月30日からのグラフも紹介します。クリックすると横長の大きなグラフを表示します。気温が上がると搬送者数が急激に上がっているようです。気象庁ホームページ(HP)には7日間平均気温と熱中症搬送者数の関係をまとめたページがありました。
その中の愛知県が右のグラフです。気温が上がると加速度的に搬送者数も増えています。そのことが2018年の7月中旬に記録的な数値になったものと推測されます。平均気温に+6℃たすと平均的な最高気温になります。最高気温が35℃前後では+2℃ごとに倍々になるイメージです。気象庁HPに掲載されているのは北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県の11のグラフです。横軸には、それぞれの代表都市の平均気温が使われています。
このグラフだけ総務省消防庁のホームページに掲載されているグラフです。こちらのグラフは7月16日~22日(1週間)の都道府県別の熱中症搬送者数です。下記のリストは1000人以上の搬送者の都道府県をピックアップしたものです。5つの中では豊田市立梅坪小学校がある愛知県が人口当たりの熱中症搬送者数が突出して高かったことが判ると思います。
熱中症搬送 人口 1万人あたり
東京都 1979人 1374万人 1.44人
愛知県 1954人 753万人 2.60人
大阪府 1779人 883万人 2.01人
埼玉県 1617人 731万人 2.21人
兵庫県 1188人 550万人 2.16人
千葉県 1030人 626万人 1.65人
最も熱中症搬送者数が多かった2018年7月16日~22日の1週間の搬送者数を多い順に並べ替えたグラフを紹介します。ここから下の4枚のグラフは都道府県名が読みにくいと思うのでクリックすると拡大するように設定いたしました。
人口当たりの熱中症搬送者数の多い順に並べ替えたグラフも紹介します。
すべての都道県の中で人口当たりの搬送者が一番多かったのは、岐阜県の3.67人(=737人÷201万人)でした。
人口当たり最も熱中症での搬送者が少ないのは沖縄県で、2番目に少ないのは北海道でした。北海道よりも沖縄の方が少ないのは意外でした。そして沖縄県のみ2017年より2018年が少なかったのです。逆の言い方をすれば沖縄県以外は全て2017年より2018年が多かったのです。疑わしい場合は、命を最優先する対応を!
こちらは人口の多い順に並べたグラフです。首都圏で人口の多い神奈川県の人口当たりの搬送者数が少ないです。
こちらは総務省消防庁のホームページ(HP)と同じ順番に並べたグラフです。概ね、日本の北からの順番になっているので自分の地域を探すのに便利です。
1週間後の2018年7月23日~7月29日のグラフも紹介します。総務省消防庁のHPと同じ順番に並べています。異常だった前週(7月16日~7月22日)より下がりましたが、まだまた高いレベルです。人口当たりの搬送者数から見ても前週は地域差が大きかったことが判ります。
2週間の熱中症発生場所の割合です。2018年7月23日~29日では熱中症で搬送された人の約50%(49.4%)が住居の中で熱中症になっています。集計の住居には屋外の庭も入ってはいますが、屋内の家の中での熱中症も相当の数だと想像されます。家の中に退避してもエアコンをつけていなければ、かえって高温になることもあることから、エアコンなどを使うことが非常に大切になってきているのだと思います。仕事場②は農業・畜産・水産関係で、それ以外は仕事場①(道路工事、建設現場、工場、作業場など)に集計されているようです。
搬送者総数 住居 教育機関
2018年7月16日~22日 22647人 41.8%(9462人) 8.88%(2011人)
2018年7月23日~29日 13721人 49.4%(6783人) 4.85%( 665人)
熱中症の発生場所の割合が変化するのかが気になったので4月30日からの割合の推移のグラフを作成してみました。厳しい状況になると個人宅(住居)での発生絶対値が増えるだけでなく発生割合も増加しているのが判りました。
2010年からの6~9月の各月の熱中症搬送者数の推移も紹介します。このグラフから分かることは、年によって差はありますが、2018年7月の熱中症搬送者数は5万人を超えて52819人に達しました。そして7月も8月も2018年が最も多い搬送者数になりました。来年からも7月と8月は注意が必要だと思います。そして6月も9月も油断は禁物であるとも言えます。2018年9月の数値は9月16日の時点です。
つらい数値ですが搬送されたけれども残念ながら死亡された方の推移も掲載いたします。2018年7月は124人に達して、当時史上最悪と言われた2010年の時の値を越えてしまいました。年により傾向が違うことも念頭に置いて予防に心がけることが大切のようにも感じました。2018年の8月も厳しい日が続き多くの搬送者数があったにも関わらず死亡者数が抑えられたのは、皆さんの努力や連日のテレビでの注意喚起も大きな影響を与えているように感じました。幸い9月に入って亡くなった方はおりません。このまま0のままであってほしいです。
タグ:グラフ