内モンゴルの「ゆう麺(莜面)」と山西省の麺のその1その2を紹介させていただきました。麺と言えば四川省の坦々麺を忘れてはなりません。そこで日本の坦々麺と少し違う、本場の坦々麺(担々麺)を紹介させていただくことにいたしました。本場では担担面と書きます。四川省に来れば,あの辛い坦々麺(坦坦面)を食べてみたくなります。本物の成都の坦坦面は汁がないと、中国の人が成都に来た時から説明してくれていました。成都に来ている間、沢山四川料理を食べたので、最後の夕食は是非とも坦坦面が食べたいと、その中国の人に頼むと成都で一番美味しい坦坦面のお店をネットで検索してくれました。それが成都の繁華街にある「龍抄手」総店と言う名のお店でした。日本語のネットでも沢山出てきました。このお店は世界的なようでした。
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中に入って驚きました。ファーストフード店のような雰囲気でした。ほんとに美味しいのですかと、その中国の人に聞くと、「絶対に美味しいです。こんなところの坦坦面の方が普通のお店と違って本物で美味しいです。」と自信を持って言われてしまいました。2階より上は普通のレストランのように個室などもあるようです。


注文はファーストフード店のようにカウンターで注文して事前に料金を払います。席に戻ってレシートを店員の人に渡すと料理が出てきます。ちょっとビールがないのではないかと心配してしまったのがちゃんと冷えたビールがありました。これをクリックすると料理の値段が読めます。坦々麺の値段は150gで10元(160円)でした。坦々麺以外には渣渣面・排骨面・紅焼牛肉面・燉鶏面・海味面・酸菜肉畿面・甜水面があり値段はすべて150gが10元でした。


これがうわさの坦々麺です。確かに汁がありません。それに赤くもありません。坦々麺と言えば小さな器で出来るものと思っていましたが、量も十分に一食分ありました。
実は器の底にタレが入っていて、よく混ぜてくださいと説明されました。
担担面は1841年ごろに、四川省成都から258kmの距離の四川省自貢の陳包包(あだ名)の男性が考案した料理で、成都の町を天秤棒で売り歩いていたそうです。天秤棒の片側に豆炭を使う七輪と鍋を、もう一方に麺、調味料、食器、洗い桶などを吊していたそうです。暖かく、辛い麺を出したのが受けて流行ったと言われています。天秤棒を担いで売り歩いた料理のため、スープを多量に持ち歩くのは難しいことから、「汁なし」が原型となったそうです。


これが混ぜた状態です。色はソース焼きそばのような感じです。赤い色を通り越して黒い色と言う感じでした。確かに見かけによらず美味しいかったです。本物を食べれただけでも満足でしたが、味にも満足でした。席が取り合いになるくらいに満席状態が続く理由もわかりました。全ての料理の写真はクリックすると拡大するので、拡大写真を是非とも見てください。実はお店に入った時に、美味しそうなソース焼きそばを食べている人がいることは気が付いていました。でもそれが坦々麺だとは、まったく頭になかったので、ほんと驚きました。もちろん器の中のものはすべて完食でした。
下の方に中国の別のお店の坦々麺を3種類掲載いたしました。→ポチッ
わかったことは坦々麺、特に汁なしの坦々麺は、麺で決まることを感じました。ここの麺はコシがあって美味しかったのです。スープがある場合は、特別に美味しい麺でなくてもスープの美味しさでカバーできるのだと思います。


タレと麺を拡大写真で紹介します。写真の左の方の器に付いている赤黒い塊が旨みと辛さの元のタレです。これが麺に絡まると絶妙の美味しさになるのです。


ここのお店は店の名前の右2文字でも、わかるように抄手(ワンタン)が美味しいことでも有名なので、坦々麺以外にワンタンも頼みました。有名さは坦々麺以上です。
燉鶏抄手・海味抄手・原湯抄手・酸辣抄手・枸杞抄手・豆辨抄手の6種類の中から2種類のワンタンを頼みました。ワンタンは全て同じでスープが違うだけのようです。
燉鶏抄手と海味抄手が10個入りで12元(192円)で他の抄手(ワンタン)が10個入りで10元(160円)でした。


これが、もう一種類のワンタンです。一緒に来た中国の人は全員、こちらの辛いワンタンばかりを食べていました。私は、この辛いワンタンは味見程度で、もっぱら上のワンタンを食べました。確かにすごく美味しいワンタンでした。人気が出る理由がわかりました。


ビールのつまみにワンタンと坦々面だけでは寂しいので、簡単な料理も頼みました。真中の料理は成都名産のビーフジャーキーです。空港のお土産で一番人気のものです。



下の3枚の写真はいずれも龍抄手のものではなく比較のために別のお店の坦々麺を掲載いたしました。先ず一枚目は北京にある四川省政府直轄の超人気の四川料理店の坦々麺です。これは汁が入っていました。これはおいしかったです。これも本場の担担麺だと思います。


こちらは北京市内の別の四川料理店の坦々麺です。これも汁が入っていました。さすが北京で有名なお店だけのことはあり洗練された味でした。日本の担担麺は、麻婆豆腐と同様に、四川省出身の料理人陳建民が日本人向けに改良した作り方を紹介して広まったと言われています。


こちらは昼食で食べた成都市内のホテルで頼んでみた坦々麺です。こちらは汁がなかったです。しかし、この坦々面の麺はコシがなくて美味しくありませんでした。やはり、麺のコシや美味しさで坦々面のおいしさは決まることを実感いたしました。


こちらが成都の超高級な四川料理のレストラン「銀杏川菜酒楼」の担担面です。まさに「龍抄手」総店の担担面と同じタイプのものでした。


「銀杏川菜酒楼」の担担面を、まぜても「龍抄手」総店の担担麺と同じ感じでした。ただし器は上品でした。


ネットで「龍抄手」総店のことを調べると出てきました。内容を転記させていただきました。
四川料理で知られる成都市は、また小吃(軽食)でも名高いところです。担担麺・鐘水餃・頼湯元などです。この小吃の一つとして名高い龍抄手を紹介します。抄手とは、中国南方地区でワンタンのことをいいます。

すなわち、龍抄手とは龍ワンタンということです。これの本家が「龍抄手」総店です。当店は1941年に創業され、1963年に成都市の中心繁華街の春期路南段に店を構えました。2007年8月、ビルの改築にともない、近くの城守街63号に移転して、現在に至っています。

この間、1995年、国内貿易部(省)から「中華老字号」(中国老舗)の称号を得ました。「陳麻婆豆腐」店も同様に称号を受けた店です。現在の店舗地は、城守街(イトーヨーカドー春熙店前から南に行く)と聯升巷(紅星路三段〔東〕と春熙路南段〔西〕とを結ぶ)とが交差する北西角に、位置します。

「龍抄手」総店の本来の姿は1階です。ここは中国の庶民食堂として、まず食券を買い、テーブル席について係員に食券を渡し、配膳されるのを待ちます。

人気店とあって、ほぼ1階のテーブルは埋まっていました。テーブル席は地下1階にもありますが、休日などの混雑時には席を確保するのも大変です。抄手(ワンタン)は各種(燉鶏抄手・海味抄手・原湯抄手・酸辣抄手・枸杞抄手・豆辨抄手)あり、10個入りで12元です。当店のワンタンの餡は豚肉でこれを薄い皮で包んであります。味の違いは基本的にスープの違いです。淡泊なものから辛いのまであります。

ワンタン以外にも、麺・粉・餃子・糕などの小吃もあります。もちろんこちらにも小吃セットがあります。Aセット38元(14小吃6冷菜1湯)とBセット28元(12小吃4菜1湯)で、これで十分にお腹いっぱいになります。なお、ビールは8元です。