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上の写真が鞍馬寺の「奥の院」です。2013年12月25日の鞍馬寺と貴船神社に行き、正月の記事で貴船神社を紹介し、2014年1月14日の記事で鞍馬寺を紹介いたしました。1月14日の鞍馬寺の記事では叡山電鉄の鞍馬駅から鞍馬寺本殿金堂までを紹介したので、本記事では鞍馬寺の奥の院の領域を紹介いたします。

下記の地形図で赤色ラインが今回歩いた鞍馬駅から貴船に抜ける道です。本記事では紫色マークの鞍馬寺本殿金堂から緑色マークの貴船神社までを歩いた順番に紹介いたします。途中の青色マークが僧正ガ谷不動堂と義経堂の位置で臙脂色マークが鞍馬寺・奥の院(魔王殿)の場所を示しています。

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前記事の最後の写真です。ここをくぐると奥の院への参道です。


奥の院への参道のの入口です。ここから山の中に入っていきます。


奥の院への参道を登り始めて最初に鐘楼(しょうろう)がありました。参道から少し登ったところにありました。


鐘楼に下がっている梵鐘は寛文10年(1670年)の銘文を持った古いもので、「扶桑鐘銘集」にも紹介される名梵鐘だそうです。毎年、除夜の鐘を撞くしとが列を作るそうです。横の説明に軽く撞く(つく)ときれいな音が響くと書かれていたので、軽く撞いてみました。確かに素晴らしい音が響きました。これは是非とも撞いてみてください。お勧めです。軽くです。音が広がっていきます。


梵鐘の撞き方のコツの説明を紹介いたします。「一呼吸して心を鎮め、やさしく静かに撞いてください。やさしく撞くと良い音が出ます。」と書かれていました。


これは与謝野鉄幹と与謝野晶子歌碑です。鞍馬弘教を開宗した信楽香雲管長は与謝野晶子の直弟子で、大正時代から交流があったそうです。縁が深かったようです。霊宝館には与謝野鉄幹・与謝野晶子の遺品等を展示されているそうです。右の写真はケーブルカーの山門駅の待合室に飾られていた与謝野鉄幹と与謝野晶子の写真です。


「ここより奥の院へ」と書かれているようにこの門より奥が、奥の院の領域というようです。左の建物は東京から移設された与謝野晶子の書斎「冬柏亭」です。門の名前は「御山の門」です。


奥の院への御山の門をくぐって上から撮りました。


御山の門から少し進むと水飲み場がありました。牛若丸が東光坊から、毎夜、奥の院への兵法の修行に通う途中、ここの清水を汲んで喉の乾きをうるおしたと伝えられている「息つぎの水」です。八百余年を越えた現在も水が湧き続けているのです。


こちらは「屏風坂の地蔵堂」です。別名を「革堂の地蔵堂」とも呼ばれています。


参道脇には「ここから奥には入らないでください。 クマやマムシや毒虫がいます。」の表示がありました。


その入ってはいけない道の方向です。


山道を上り詰めた峠には「背比べ石」がありました。奥洲へ下る牛若丸が、鞍馬山と名残りを惜しんで、この石と背比べをしたと言われています。右の奥へ行く道は鞍馬山の山頂方向ですが、こちらも進入禁止のロープが張られていました。


「背比べ石」からは大杉権現社と奥の院に道が分かれていたことから奥の院へ進みました。この時は奥の院から帰りに寄るつもりでしたが、奥の院から貴船の方に下りて行ったことから木の根道や大杉権現社には行けませんでした。ここを訪れられたら大杉権現社によって~奥の院に行くことをお勧めします。別のルートがあり「背比べ石」に戻ってくることなく奥の院に行けることが、この石柱で判りました。


背比べ石からは下りとなります。少し降りたところに「僧正ガ谷不動堂」がありました。不動堂はその昔、伝教大師が天台宗開宗の悲願に燃え、一刀三礼の札を尽くして刻んだと伝えられる、不動明王が奉安されています。
ここは鞍馬天狗が牛若丸と出合ったと伝えられる場所でもあります。


僧正ガ谷不動堂の前には義経堂がありました。義経堂は、奥洲衣川で若い命を散らした源義経公の御魂は、幼少時代を過ごしたなつかしい鞍馬山に戻って来たと信じられ、遮那王尊としてお祀りされているそうです。


義経堂および僧正ガ谷不動堂は本殿金堂から711mの位置で、奥の院までの距離は241mでした。この表示を見て奥の院に行った後は、鞍馬駅に戻るのではなく貴船に向かうことを決めました。


奥の院への山道です。


木の根が見事な景観を見せてくれました。


奥の院(魔王殿)が見えてきました。


奥の院(魔王殿)は、磐座・磐境とも称され神々が降臨された場所として崇拝され、太古より宇宙の力が満ち溢れ、その波動がご開山・鑑禎上人を初め多くの修行者を鞍馬山へと導き、宇宙の真理に目ざめさせたといわれています。


奥の院(魔王殿)の正面の大きな灯籠が印象的でした。中心位置より少し右側に設置されているのが不思議でした。


中に入って見ると、さらに奥に建物がありました。これが奥の院魔王殿の本殿(小堂)だと思われます。つまり大きな建物は拝殿ということになります。鞍馬寺は寺ですが神社のような配置です。拝殿の中から拝めるのはいいですね。


その小堂の中に650万年前に金星から地球に降り立ったと言い伝えられている護法魔王尊を祀っているそうです。


建物(拝殿)の中には長椅子が置かれておりゆっくりと休むことも出来ました。独特の不思議な雰囲気でした。


ここから貴船神社までは647mです。ここまで来たら仁王門まで戻ることは考えられません。


貴船側への道からみた奥の院(魔王殿)です。


貴船への道はジグザクの急坂でした。逆のルートは大変だと思いました。


奥深い場所でした。少し進むと貴船の辺りを流れる川の水の音が聞こえてきました。


途中には石の社があり尊天と刻まれた石柱が立てられていました。鞍馬寺の本尊は毘沙門天王、千手観世音菩薩、護法魔王尊の三身一体で、寺では本尊を「尊天」と称しています。それと関連があるのかもしれません。


見事な倒木も見ることが出来ました。


石の上の苔も見事でした。


鞍馬寺への西門です。ここから入る場合も愛山費200円を払います。


西門の前には清流・貴船川が流れており、清流に架かる橋を渡ると貴船です。貴船川は鞍馬川に道隆してやがて鴨川となっていきます。


西門から川上に少し登ると貴船神社の入口です。赤い鳥居をくぐって石段を上ると貴船神社の本宮(本殿)があります。