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2019年1月2日の朝食です。3段重の御節(おせち)と筑前煮は1月1日の昼食で全て食べてしまったので、お雑煮を主体とした軽い朝食となりました。ご飯を希望する人が2人いたのでお雑煮は6人分です。

こちらが1月2日のお雑煮です。1月1日はお澄ましタイプのお雑煮にして、1月2日は白味噌仕立てのお雑煮にすることもありましたが、お澄ましタイプが好評のようなので、今回は元旦も1月2日もお澄ましタイプのお雑煮でした。


お正月用に買ってあったハムも並びました。さらに沢山作った加須の湖の最後も並びました。


北海道の長男家族がお土産として持ってきたくれて、元旦の昼食にお披露目した、かま栄の「揚げかまぼこ」です。1月2日の朝食用に半分ほど残してあったのです。この皿が2皿並びました。元旦の昼食でも好評でしたが、この日も大人気でした。


お漬物は3種です。奥から千枚漬け、牛蒡の漬物、広島菜の漬物です。


広島菜は大きな葉が特徴で、おにぎり包んでよく食べました。ちょうど海苔の大きさに切ってあったので、お餅の海苔巻き(磯辺巻き)を作ってみました。さっぱりして美味しかったです。旬は11月から2月だそうです。
今回の広島菜は、長野県の野沢菜、九州の高菜と共に日本三大漬菜と言われています。つまり広島菜漬は日本三大菜漬のひとつとなるわけです。広島菜の大きさが今まで実感できなかったので、ネットに掲載されていた広島菜の28品種を集計してみました。最大と最小は本当の最大・最小ではなく各品種ごとの代表値です。例えば重量・最小の1277gは川内在来桜井という品種の代表的値です。品種名は川内在来桜井、川内在来中西、県種苗原種、広島2号、小田種苗原種、広島平茎菜など28種です。集計してみると広島菜は葉幅の広い野菜(漬菜)でした。中肋幅は葉の中央を走る太い葉脈の幅のことです。
項目単位最大最小全平均
重量g324312772093
草丈cm48.136.042.2
葉数46.029.333.9
横径cm25.514.320.1
最大葉幅cm33.724.228.6
中肋幅cm10.06.28.4


さっぱりとした「お餅の広島菜巻き」を紹介したくて拡大いたしました。醤油に浸けた広島菜漬をお餅に巻きました。クリックすると拡大いたします。
広島菜に関しては今まで詳しく書いたことが無かったの調べてみることにいたしました。広島菜は白菜の一種で2~3kgの重さがあり、葉が広く大きいのが特徴です。収穫された広島菜は、ほぼ全てが広島菜漬になるそうです。
広島菜の原種はブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)です。菜の花のような右の写真のブラッシカ・ラパを原種とした野菜は広島菜や白菜だけでなくミズナ、アブラナ、ハクサイ、コマツナ、カブ、タカナ、ノザワナ、チンゲンサイ、サイシン、タアサイなど驚くほど沢山あります。ブラッシカ・ラパは古代においては西アジア~北ヨーロッパの大麦畑に生える雑草で、農耕文化の広がりとともに、その雑草も世界中に広がったようです。そんな中で多様な栽培植物の原種となったと考えられています。その栽培野菜から広島菜が誕生したのは、江戸時代(一説では1600年ごろに安芸国藩主の参勤交代の時)に京都から、元となる京菜の種を広島に持ち帰えられて栽培されていました。明治に入り川内村の木原才次によって品種改良が行われて現在の原型の広島菜が出来上がり、さらに改良が重ねられて多くの品種の広島菜が生まれたと言われています。そんなことから広島菜は、京菜あるいは平茎(ひらぐき)と呼ばれているころもありました。広島県農林水産局の平成24年の資料に、広島県での広島菜の生産量は2,893t(2009年)と書かれていました。長野県の野沢菜の生産量が36,300t(2008年)に比べると少ないけれども、それだけに美味しさは格別に感じます。Brassicaからはじまる長い学名の中にhiroshimana(ヒロシマナ)の文字が入っています。
広島菜の写真はネットから転用させていただきました。順番に出てくる写真で分かるように、広島菜の花も菜の花に似ています。
  界 植物界      Plantae
  門 被子植物門    Magnoliophyta
  綱 双子葉植物綱   Magnoliopsida
  目 アブラナ目    Brassicales
  科 アブラナ科    Brassicaceae
  属 アブラナ属    Brassica
  種 ブラッシカ・ラパ Brassica rapa
 変種 ミカワシマナ   三河島菜
 品種 ヒロシマナ    広島菜
 学名 Brassica rapa L. var. toona Kitam. subvar.hiroshimana


日本三大漬菜の広島菜と野沢菜と高菜を比較してみます。野沢菜と高菜のしゃしんはネットから転用させていただきました。3種ともアブラナ属です。ただし広島菜と野沢菜がブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)を原種とする変種であるのに対して、高菜はカラシナ(Brassica juncea)の変種です。漬物にした場合に広島菜が、野沢菜と高菜と大きく違うのは葉の根元の茎の部分(葉茎部)と中肋部が肉厚で幅が広いことです。そのことから幅広い薄い葉と、幅広で肉厚な葉茎部(および中肋部)の両方が味わえるのが広島菜の特徴のように感じました。広島菜漬けの写真は元旦の昼食で撮った右の写真から切り取りました。  
     広島菜         野沢菜         高菜



広島菜は栽培量の割合に比べて沢山の品種があるのも特徴の一つです。それには広島菜が、同じ品種同士の交配を続けていると形質の弱い個体が増加していく、いわゆる近交弱勢(内婚劣勢/内婚弱性)の性質が強いことも関係しているのかもしれません。自家不和合性の植物でもあり、種を採取するときは複数の株が必要です。上で紹介した広島菜の28品種のリストを紹介します。
赤色数値が最大で緑色数値が最小です。オリジナルのリストには食味評価、草姿、葉形、葉色、葉肉厚も書かれています。28種の中で川内在来の名が入った品種が16種もあります。川内は伝統の場所のようです。地図の中のマークが川内地区(明治22年~昭和30年:沼田郡川内村  今:広島市安佐南区川内)です。地図内の✚のアイコンをクリックすると川内地区のエリアを表示します。
品 種 名重量草丈葉数横径最大葉幅中肋幅
gcmcmcmcm
1広島菜-199220272,31039.032.525.530.58.69
2広島菜-199300042,09843.432.319.128.48.73
3川内在来竹田3,02343.538.323.827.19.10
4川内在来宮田H1,48036.041.714.325.16.17
5川内在来田平2,60044.046.020.033.010.00
6川内在来倉本1,92539.932.018.027.08.95
7川内在来高崎2,35544.034.321.329.56.95
8川内在来宮本1,98342.134.117.928.47.89
9川内在来根石2,21043.533.522.531.48.65
10川内在来板尾N2,09038.630.719.327.09.77
11川内在来板尾E2,07039.734.724.733.77.70
12川内在来宮尾M1,64541.330.518.027.57.53
13川内在来辰広1,90043.530.017.531.09.20
14川内在来松田2,55045.532.018.524.89.50
15川内在来両祖M2,31743.330.022.729.89.50
16川内在来両祖I2,04037.733.018.724.28.63
17川内在来桜井1,27741.933.818.326.77.03
18川内在来中西2,00040.434.319.328.88.43
19県種苗原種1,39542.129.316.824.56.93
20広島2号2,16741.331.218.828.27.92
21小田種苗原種2,05045.833.318.331.78.24
22広島平茎菜2,10040.832.019.726.79.28
23広島菜-199329282,53048.130.323.030.89.50
24広島菜-199329393,24347.239.723.831.69.42
25井谷種苗2,19344.835.722.828.88.34
26灰本系1,41538.835.820.329.68.18
27広島菜1号2,14744.837.021.026.98.02
28中野系1,47739.231.217.828.07.65

川内地区の広島菜畑のストリートビュー(2014年1月) → ポチッ