こちらが上海/豫園にある南翔饅頭店/本店の蟹みそ入り小籠包です。
小龍包では台湾の鼎泰豊が日本全国にお店を出していることが有名ですが、実は南翔饅頭店も2003年に日本の六本木ヒルズにお店を出したことで日本でも知名度が上がってきたようです。2010年には渋谷の西武にもお店をだしました。上海市内や中国全土に沢山のお店を出していますが、その本店が今回のお店なのです。
観光案内に使用されている一つの説ですが、小籠包の起源は1871年に中国の嘉定県南翔鎮の菓子屋「古猗園」の店主黄明賢が売り出した「南翔大肉饅頭」にあるといわれています。南翔大肉饅頭は好評を博したため同業者からすぐに真似されたそうです。その後、皮を薄くしするなどの工夫して「古猗園南翔小籠」を販売したそうです。それが「南翔小籠包」と呼ばれ、これが今日の「小籠包」という名称となっているそうです。世に小龍包が知られるようになったのは「古猗園」店主黄明賢の弟子である呉翔升が1900年に上海に開店した「長興樓」が1920年ごろに小籠包を売り出したところ人気を呼び上海の名物点心となってそうです。「長興樓」はのちに「南翔饅頭店」に改名しました。

旧正月前の2013年1月26日に上海の豫園(よえん)に行ってきました。豫園は正月の準備真っ最中で楽しく散策となりました。そこで長い行列が出来ているお店がありました。そこは南翔饅頭店という名の有名な小龍包(小籠包)のお店でした。建物に南翔饅頭店と書かれているのがわかると思います。


常時50人くらいの人が並んでいたと思います。この行列の先がさらに左に曲がって、さらに右に曲がって続いているのです。


その先の行列です。少し先頭が見えてきました。


ここが売場です。外売部と書かれているところで買います。


ここはガラス張りになっており沢山の人が小龍包を作っていました。


紙のパックに入れてくれます。一見して小龍包らしくないように見えます、実は底の部分が上になっており、ひっくり返って入れられているのです。無造作に入れられたために、このようになっているのかと写真を撮った時には思いましたが、後で3階でレストランで小龍包を食べてみて、この入れ方は意識的にしているのだと感じました。小龍包の底の皮は非常に薄いため破れた時にスープが出てしまわないようにとの配慮のように思えました。確かに他の人のパックを見ても同じような感じでした。このパックに16個入っています。このとき10時45分でした。


10時~11時のみに売られる普通の小龍包が16個で12元(180円)で、11時以降に売られる蟹入りが16個で20元(300円)でした。他にも皮で包まれたスープが売られていました。でも皆さんのお目当ては小龍包です。


並んで立って食べるのは大変ですね。ゆったりと食べたい方のために3階がレストランになっていました。ここでもレストランに入るために列が出来ていました。この先に右と左にレストランがありました。ここに並んでいるお客さんは右のレストランに入るために並んでいるのです。


レストランはそれぞれにランク付けされているのです。左の方がハイランクで、並んでいる人が少ないので、そちらに進みました。


こちらは右側のお店です。1900年に開店した当初の名前「長興樓(長興楼)」が使われていました。2階にもレストランのような部屋がありました。そこは1階で小龍包を買った人が食べる部屋だと思いますが、とてもテーブルをキープ出来る状況ではなかったので、ほとんどの人が外で食べるのだと思います。


こちらが我々が入った左側のお店です。名前は鼎興樓(鼎興楼)でしょうか。個室は瑞鑫樓(瑞鑫楼)のようです。
確認したわけではないけれども3け所のレストランの料理の値段は同じだと思います。実は最低食べる料理の量の違いだけのようです。我々が入ったレストラン鼎興樓の規定は1人あたり80元以上を注文することでした。個室を頼むと一人最低150元を食べる必要がありました。それから想像すると右側のレストラン長興樓は最低が設定されていないか、あるいは60元が最低に設定されているのだと思います。
こちらのレストランでも並びましたが、我々の前は3人だけだったので、すぐにテーブルにつくことが出来ました。九州の団体のお客さんがスルーで個室に入って行ったので個室の場合は予約しておけば待ち時間は無いようでした。


レストランの中を紹介いたします。小籠包屋さんとしてはきれいです。


テーブルのセッティングです。大きな取り皿とレンゲの入った椀に小皿が乗っていました。真中の小皿に乗っているのは生姜の千切りです。


店員さんが注文に来ます。注文は電子化されていました。


お茶は鳥龍茶を頼みました。


最初の小籠包が出てきました。これは海老入り豚肉小籠包です。海老の味がいきた美味しい小龍包でした。


美味しさを感じていただくために拡大いたしました。この小龍包の底の部分の皮が驚くほど薄いのです。中のスープが透き通って見えるのがわかってもらえると思います。静かに持ち上げると皮は破れることなく取ることが出来ました。蒸籠の底に工夫がされているのだと思いました。これを見て一階の小籠包は少し皮を厚くしているのだと思いました。


次に出てきたのがお店の一番人気の「蟹みそ入り小籠包」です。これはさらに美味しかったです。


スープが本当にたっぷりと入っていました。


こちらが標準的な豚肉の小籠包です。これでも十分に美味しかったです。


これは自分の小皿に生姜の千切りと黒酢をいれたものです。
小籠包は、そのまま食べても美味しいけれども、生姜の千切りが入った黒酢に、つけるのが本場の食べ方です。確かに、この食べ方は小籠包にあいました。


野菜も頼みました。これは茎の部分の食感が何ともいえない美味しい野菜でした。
追伸 2013年2月24日
ペタッキさんに野菜の名前をコメントで教えていただきました。

野菜はカイランというとそうです。調べてみるとカイランは漢字では芥藍と書き、カイランサイ(芥藍菜)とも呼ぶそうです。別名はチャイニーズブロッコリー(Chinese broccoli)あるいはチャイニーズケール(Chinese Kale)でアブラナ科の緑黄色野菜でキャベツやブロッコリーの仲間ですが結球はしないそうです。


お隣の席の食事風景です。皆さん80元にはこだわらずに結構な量を食べられていました。親子3代での食事ですね。


我々のレストランにも専用の小龍包を作る部屋がありました。すごい人数と量でした。ということはこちらの本店では少なくとも3ケ所で小龍包が作られていることになります。


2人合計で179元(2685円)で一人80元はクリヤーいたしました。日本のお店の小龍包や一階の小龍包の値段の差が気になると思いますので比較してみました。豫園店にも上海蟹みそ入りふかひれ小籠包はありましたが値段を控えるのを忘れました。 
豫園店1階の普通の小龍包一個あたり値段を基準にすると豫園店3階は7.8倍で日本の六本木店は12.1倍でした。
日本の値段は豫園店3階の2倍くらいと高いけれども豫園店1階の値段から見れば豫園店3階は日本並みの値段と言ってもいいかもしれません。
日本店(6ヶ) 豫園3階(6ヶ)豫園1階(16ヶ)

豚肉入り小籠包          819円  35元(525円)  12元(180円)

海老入り豚肉小籠包      1134円  40元(600円)    -

上海蟹肉入り小籠包      1449円  35元(525元)  20元(300円)

上海蟹みそ入り小籠包     1764円  55元(825円)    -

上海蟹みそ入りふかひれ小籠包 1974円    ?        -