透明な湯が静かに淵から溢れている単純泉で大正時代から沢山のひとたちを癒してきたお風呂です。この雰囲気も気に入りましたが、入った瞬間に湯船の深さにも驚かされました。背筋を垂直にして入らなければ溺れて今うほどの深さなのです。この深さが今の温泉にないもので、入ってみると体が実に温まる心地いいものでした。
参考に福住樓(ふくづみろう)のホームページの内容を枠内に転記いたします。
汲み上げられた源泉を天然の湧き水で調整し、そのまま24時間湯船へ。
身体をしんから温め、疲れを癒してくれる柔らかなお湯です。
大きな松の幹をくり抜き、組み合わせた名物の大丸風呂や岩風呂、家族風呂もぜひお楽しみください。
湯本37号泉
アルカリ性単純温泉・掛け流し
源泉温度62.9℃ PH8.9
疲労回復、健康増進、神経痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、うちみ、
くじき、関節のこわばり、慢性消化器病、冷え症、病後回復期など
2つの丸風呂の脱衣場です。ここには上で紹介した丸風呂より一回り小さい丸風呂もあります。手前が上で紹介した大きい方の丸風呂の脱衣場で、奥が次に紹介する丸風呂用の脱衣場です。2つの脱衣場との間には引き戸があり閉められる時間帯があります。それは岩風呂との組み合わせで時間帯により4つ組合せ(①~④)の運用がなされているからです。
私が泊まった時も19時までは①で19時以降が②で翌朝のある時間帯は③又は④でした。子供からの報告
① ② ③ ④
大丸風呂 男湯 女湯 男湯 女湯
丸風呂 男湯 女湯 女湯 男湯
岩風呂 女湯 男湯
岩風呂に入れなかった方も時間帯をずらすか翌朝に入れば丸風呂に入れると思います。
こちらが一回り小さい方の丸風呂の湯殿です。小さいと言ってもかなりの大きさです。
湯船は、やはり赤松造りで黄銅での縁取りが印象的でした。
下の湯船の淵の写真は日本経済新聞が出版した雑誌「日本百名湯」から転用させていただきました。私が入った時は、このような写真を撮ろうと思っても湯気で、すぐにレンズが曇ってしまいました。
参考に日本源泉かけ流し温泉協会の「源泉かけ流し」の定義を紹介いたします。もちろん循環は論外で加水と加温の同時もあり得ません。
源泉とは
・温泉法で定められた温泉であること
・所有する自家源泉、または共同源泉からの引き湯を使用していること
かけ流しとは
・新しい湯を常に浴槽に注いでいること
・注がれた分だけの湯が浴槽の外にあふれていること
・あふれた湯は決して浴槽に戻さないこと
・湯量の不足を補うために、浴槽内で循環ろ過させないこと
源泉かけ流しとは
湧き出したままの成分を損なわない源泉が、新鮮な状態のままで浴槽を
満たしていること
協会の加温と加水に対する見解は以下の通り
・基本はあくまでも“源泉100%”だが、入浴に適した温度にするた
め、泉質を損なわない範囲での最低限の加水・加温は認める
・湯量不足を補うための水増し加水は認めない
岩風呂もシャワーなど古いレトロな雰囲気がありました。調べた結果、やはり昭和初期に作られたものでした。こちらの湯船も深く、心身から温まるお風呂でした。もちろん岩風呂も24時間流れ続ける「源泉かけ流し」です。
岩風呂の設備は昭和初期において最新のものだったことを感じさせてくれるレトロ感が良かったです。
家族風呂には入らなかったのでホームページの写真を使わさせていただきました。こちらも「源泉かけ流し」で豊富な湯量だから出来ることだと思います。
写真はクリックすると拡大します。