私が来た安徽省の町に押しボタン式の信号機がありました。これが押しボタンです。
この写真を撮った中国旅行の出発直前に中国の押しボタン式信号機のことを日本のテレビのニュースで報道していました。テレビの報道では押しボタン式信号機を設置したけれど利用する人がいなくて、ボタンを押さずに車の合間をぬって渡っているとの説明で、押しボタン式信号機を無視して渡っている映像を繰り返し流していました。この時の報道は嘘ではないけれども、無視して渡るところばかりの映像を流すことは与える印象から見て、正確な報道でもないことが判りました。
中国の地方都市で道路を横断するのは命がけと思っている外国人は多いと思います。確かに道路を横断するのは、すごく気を使ってしまいます。車線の多い大きな道でも信号機が無いからです。横断歩道があっても日本と同様に車は止まってくれないからです。車が多いので車が通らなくなるのを待っても道路を横断することは出来ないため、比較的に車が少ない時に、ゆっくり同じスピードで歩いて渡ります。そうすると車が人間を避けながら通っていきます。立ち止まったり急に早く歩くと危険なのです。そうして道路の中央付近まで行き反対車線の車が少なくなるのを待って同じように渡るのです。我々にとっては道路の真ん中に立つのはかなり勇気がいります。
確かに危険なので最近、押しボタン式の信号機が設置され始めたようです。
上海や北京などの大都会では、押しボタンではなく普通の信号機が設置されています。

これは押しボタンが押されていない状態です。歩行者の方の信号は赤で押しボタンを押すように表示されています。
この写真のように確かに押しボタン式の信号機を無視して渡る人もいました。押しボタンの設置場所と歩道の間の車が駐車している道は自転車用の道路です。


押しボタンを押すと表示が変わります。この写真で01と表示されています。これは残り1秒で信号が変わることを表しています。押した瞬間は08と表示が出ました。押してから8秒後には青信号になるように設定されていました。この後、車道の青信号は黄色に変わってから赤に変わります。
歩道の信号が青から赤に変わったばかりの時に押しボタンが押されたときは8秒ではなくて30秒が表示されました。


横断歩道が青信号に変わった時の表示です。16と表示されていますが16秒後に赤信号に変わることを表しています。押された瞬間は30秒が表示されました。結構、長く青信号が維持されるのでゆっくりと渡れます。


利用している人も結構いました。長時間見ていて横断する歩行者の70%程度の人は押しボタン式信号の青信号で渡っていました。日本のマスコミ報道とは印象的に開きがあります。報道された場所の実態は判りませんが、無視して渡る場面ばかりを流しているので、私が見たような、ルールを守っている人がいる場所もあることを想像するのは難しいと思います。


歩行者は70%くらいでしたが、自転車や電動自転車の利用者は、ほぼ100%でした。自転車などはスピードがあるので、上で説明した歩行者の横断方法のように、避けてもらいながら渡ることが出来ないためだと思えました。
丁度、ボタンを押しているところです。小さな子供さんはお母さんに言われて押しに行きましたが、残念ながら先に別の人に押されてしまいました。


押しボタン式の横断歩道に対する車のマナーは良かったです。ほとんどの車が止っていました。つまり車の信号無視は無いのです。ただし信号のある交差点で曲がってくる車は歩行者がいても停まらないので注意が必要です。
残念ながら、ほとんどのバイクは信号無視でした。車同士の広い交差点はバイクも停まっていました。


自転車が渡りきって歩行者がいなくなっても、ちゃんと車は止まっていました。


信号が変わって一斉に走り始めたところです。沢山の車が止まっていました。
2015年4月6日から4月13日まで同じ町に滞在していて信号機のない横断歩道を渡る機会がありましたが、比率は少ないけれども何回か車が停まってくれました。以前は無かったことなので、すこしづつ変わってきていることを感じました。


追伸
2015年4月6日から中国に来ていましたが、本日4月17日に上海14時05分発のフライトで帰国します。今回は上海、安徽省、湖南省を回ってきました。帰国後、ゆっくりですが、それぞれの場所のことを報告させていただきたいと思っています。下記の写真は今朝7時1分のホテルの部屋(24階)の窓からの上海の景色です。この辺りは昔にフランス租界(1849年~1946年)があった場所です。
租界(そかい)とは、清国内の外国人居留地です。阿片戦争後の1840年代以降に設けら、今でも当時(右の写真)の外国風の趣のある建物が残されています。