中国で日本人同士の結婚式の招待状紹介させてもらったので、嫁取りの儀式を再紹介いたします。結婚式(披露宴)の前に大変な儀式がありました。結婚式の前の儀式と言っても日本のように神式や教会のような宗教的な形式のことは行われません。その儀式を体験できたので紹介いたします。
結婚式の当日に新郎が新婦の実家に車で迎えに行きます。ただし今回の場合は新婦の実家は日本にあるのでホテルの部屋を新婦の実家に見立てて、新婦と両親と友達には朝から、実家に見立てたホテルの部屋に待機してもらっていました。そこに車で迎えに来て部屋に案内されるのですが、そこで新婦の親戚一同と友達から猛反発をくらいます。
今回の場合は両親のみで親戚はいませんが手ごわい友達がホテルの部屋の中に待機したいました。上の写真は新郎がホテルの部屋の前で交渉しているところです。
右の写真はホテルの一階のエレベーターに乗り込むところから実家に見立てた部屋のドアの前に来るまでの連続写真です。
嫁は渡せさないと、手ごわい友達たちが中からドア越しに次から次へと難題を持ちかけます。この儀式のことを中国語では「迎新娘」とか「接新娘」と言うそうです。ネットで調べると次の緑の文字のように書かれていました。
新郎がお嫁さんを迎えに行く時、新婦の友人や家族が意地悪をして(新婦の靴を隠したり)してなかなか新婦を連れて行かせない習慣があります。地方によっては、新郎はたくさん「袖の下」(小銭)を用意し、新婦の友人に配って許してもらい新婦を連れ出す…といった習慣もあります。
新郎が新婦に、出発の靴を履かせます。これは花嫁様に、「これから、ずっとついてきてください」とお願いの意味が含まれています。 
実家のカン(中国東北地方の暖房)から、式場までは新婦は、土を踏んではいけないという習慣もあります。新郎が新婦を「お姫様抱っこ」で抱き、「今後、花嫁様をずっと大切にする」と言った新郎の誓いを見せます。


下の写真は、お金を要求されてドアの下からお金を入れているところです。もしこれから中国で結婚式をされる方がいるとすれば、かなりの数のお札を用意することをお薦めします。それとドアから入れたお金は新婦ではなくて友達が個人的に受け取ってしまうために戻ってこないことも頭に入れておいてください。 


あまりの真剣なやり取りにホテルに泊まっていた新婦の友達も沢山出てきて新郎の応援をしてくれました。


ドアが少し開いたところです。でもチェーンロックが掛かっています。


チェーンロックなど気にせずに、このチャンスを逃すまいと男性数人でドアを一気押し開けて部屋になだれ込みました。このとき13時44分でした。交渉を開始したのが13時26分だったので18分掛かったわけですが、これは楽な方だと誰かが話していました。


チェーンロックは下のように無残に壊れてしまいました。演技と言えどもそれだけ真剣なやり取りなのです。右の写真は壊れていない私の部屋のチェーンロックです。
ホテルの人に怒られるかな?
なんて気にしている人はいなかったようです。
修理代は請求されなかったと言っていました。


部屋に入っただけでは簡単に結婚の許可をしてもらえません。ここからは直接交渉です。更に泣きながら、お願いしているところです。


やっと真剣な気持ちが伝わり、新婦を渡してもらいました。その真剣なやり取りの余韻を、カメラに収めています。


沢山の人で部屋はいっぱいにになりました。最初は本人同士の記念撮影です。


新婦のご両親との記念撮影に職場の方々や友達の記念撮影が続きましたが、海外の人にとっては、一際印象的だったと思います。


入れ替わり立ち代り、みんなカメラや携帯で写真を撮っています。
この場にいた翌月に結婚する中国の女の子は、今回の真剣なやり取りを見て「怖いどうしよう」と相談されましたが、中にいる方は気楽でやればいいよと言ってしまいました。(新郎さん、御免なさい)


外人さんも参加されていました。オーストラリア、ラオス、中国、日本の女性の人たちが集まりました。新婦の交友関係の広さには感服です。


中央よりの女性がラオスの方です。本当に沢山の若い女性も参加されていました。ラオスの方も日本人と間違えました。そのほかの女性も日本人のように見えると思いますが半数は中国の人なのです。ただし日本語が話せるのです。新婦が中国の大学にいたときに日本語の先生をやっていましたが、その時の生徒さんたちが沢山こられているのです。


ホテルの部屋を出てエレベーターで降りて一階の車に乗り込むまでの写真です。



これから新婦を新郎のご両親の待つ、新郎の家に連れて行きます。持ってきた車の一台に新郎、新婦と両親が乗ってホテルを出発するところです。車は4台用意されていましたが乗り切れなかったので我々はタクシーで後ろについて新郎の家に行きました。


新郎のマンション(新居)の前です。ここからが大変です。新郎は新婦を抱えて部屋まで行かなければなりません。みんなが持っている棒のようなものは超大型クラッカーです。爆竹の代わりにみんなが鳴らしました。


超大型クラッカーは沢山用意されていました。そして、その日の18時18分開始のホテルの結婚披露宴に我々が招待されたわけです。すこしだけ判りました。


階段を登るわけではないけれど高層マンションのエレベーターの待ち時間と乗ってる時間は結構長く新郎は辛そうでした。でも顔は両名ともに楽しそうです。

やっとマンションのドアのところにたどり着きました。新郎の顔には汗がしたたり下りていました。


みんながマンションの部屋に着いたころに道路では爆竹が永遠と鳴り続けていました。この爆竹が結婚成立の合図のようなものだったんです。右のマンション敷地内では迷惑がかかるので敷地に入る前の道路で行いました。爆竹は数万発とのことで下の写真のように何も見えなくなりました。(私は下に行かなかったので、この写真は知り合いにブログに掲載することを伝えて送ってもらいました。)


部屋にみんなも上がり結婚が成立です。おめでとうございました。ご苦労様でした。お茶が用意されており、みんなも話が弾んでいました。


日本から来た人たちはマンションの広さに圧倒されたようです。


この新居となる家には両方の両親に友達や会社の知り合いの人たちが沢山集まり夕方行われるホテルの結婚式までゆっくりとお茶や会話を楽しんでいました。そのうちに、みんな家の中の散策をしはじめました。ベッドルームも二つあり、ピンクのベッドは女の子たちの注目の的でした。

でも女の子たちの最も関心が集まったのは結婚記念写真集でした。


この白黒の写真はすごい注目されていました。


日本では考えられないくらいに写真集が充実しているのです。


部屋の中には写真集だけでなく2人の写真であふれていました。ワインまで記念の二人のボテルです。ワインの写真はクリックしてみてください。
マンションのドアに大きな赤い文字が張られていました。招待状にも書かれていた文字です。
よろこびが2ツ(喜x喜)ので中国でも結婚式にしか使われないそうです。この文字はダブルハッピネスと呼ばれているそうです。 双喜字とも言われています。


この文字はマンションの窓にも貼り付けられていました。おめでたいことは、みんなにアピールするのが、この国の習慣のようです。


この後、時間を置いて18:18から始まるホテルの結婚式会場に向かいます。私は着替えるためにホテルに先に戻りました。