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七輪を買って炭火で焼いたサンマを食べることが、長年の夢でしたが、ついつい七輪を買いそびれて時間がたってしまっていました。そんな時、家内の誕生日に子供たちが七輪をプレゼントしてくれたのでした。

これがプレゼントしてくれた七輪で、珪藻土で作られた蓋付の本格的な七輪でした。実は蓋が大切な役目があることが、使い終わった時にわかりました。それは使い終わった後に蓋をすると炭火を消火出来ることでした。七輪(しちりん)は「七厘」とも書くそうです。


火床が2つに分かれた長方形の七輪でした。七輪は珪藻土層を切削整形し、焼結して制作します。珪藻土は植物性プランクトンの藻類の一種で二酸化ケイ素(SiO2)の殻を持つ珪藻の死骸が海底や湖底に堆積し長い年月の間に二酸化ケイ素を主成分とする殻のみの化石となった岩石のことで非常に柔らかく軽いことが特徴です。珪藻土の多くは白亜紀(1億4550万年前~6550万年前)以降の地層から産出されているそうです。
珪藻土を使った七輪は江戸時代の初期に能登地方で使われ始めたようです。


実家からもらってきた炭火起こし器を使って炭に火を着けることから始めました。この炭火起こし器は右側に写っている受けが付いているので、室内でも火の着いた炭を容易に移動できるので助かりました。長年、茶道に使っていた茶道具の一つなのです。


このようにガスコンロで炭に火を付けます。火が着くまでは結構時間かかります。


火の着いた炭を七輪に並べました。初めて使うので表面の水性塗料を焼くために20分間空焚きをいたしました。蓋の裏側も空焼きする必要があるために隙間が空くように蓋も置きました。少し煙が出てきて10分程度で煙が止まりましたが、念のため説明書通りに20分間ほど、空焼きをつづけました。


七輪の空焼きが終わったところで金網をおいて秋刀魚を焼き始めました。ここで失敗が一つありました。金網に油を塗っていなかったので秋刀魚の皮が金網に、くっ付いてしまったのでした。それが、今回の秋刀魚の塩焼きの見た目が悪くなった最大の要因でした。


秋刀魚はすごい脂でした。落ちた脂の炎も食欲を増してくれました。
金網に油を塗っていなかったために皮が剥がれていますが、見るからに美味しそうに焼けはじめました。七輪は壁の保温性が高いことから赤外線の発生量が多いため焼き物料理が特に美味しく出来るそうです。


これが出来上がりです。これを取り分けていただきました。今回は見かけは悪かったけれど、さすが炭火焼きと判る風味で美味しくいただきました。もちろんビールも、いつもより美味しく感じました。
七輪で焼肉と焼き鳥も焼いてみたいです。特に焼き鳥を焼くのには、今回の七輪は丁度よい幅のようです。煙が出るので、当分は焼くのは屋外で食べるのは屋内になりそうです。


七輪の材料の珪藻土の元の珪藻の写真を紹介いたします。
植物性プランクトンである珪藻の顕微鏡写真を紹介します。高校時代の生物部に所属していたころに撮った写真です。近いうちに紹介します。数千万年前のこのような珪藻の化石が七輪の材料になっているわけです。珪藻はガラスの殻をもった植物プランクトンなのです。芸術的な文様を見せてくれます。