写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。

買ってきたチリメンジャコ(しらす干し)の中に縞模様の糸のようなものが入っていました。よく見ると細長い魚でした。ちりめんじゃこ(縮緬雑魚)は、イワシ類(カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・シロウオ・イカナゴなど)の仔稚魚を食塩水で煮た後に天日などで干したものです。偶に小さな蟹や海老や他の小さな魚が混ざっていることがありますが、このように細長いのは初めてでした。最近の選別方法の一例を紹介します。これ以外に振動選別機、色彩選別機、金属探知機を使っているところもあります。これをかいくぐってきたのですから貴重です。
 ①棒状磁石で金属類を除去
 ②風力選別機で軽い物(主に魚粉、えびなど)を除去
 ③風力選別機で重い物(主に石、極端に大きい魚など)を除去
 ④3つの静電気式選別機で毛髪などの軽い物が除去
 ⑤4名の目視選別でチリメンに類似の遺物を除去 平板型磁石も設置

その魚の全体を拡大いたしました。大きさはチリメンジャコと比べると判ると思います。この魚は頭に特徴があるようです。クリックするとさらに拡大します。この魚はなんでしょう。


頭の部分を拡大いたしました。口の形がタツノオトシゴ(竜の落とし子)のようです。ただし体は細長いのでヨウジウオ(楊枝魚)の稚魚のようです。珍しい魚が入っていました。もちろん食べてみましたが細すぎで味までは分かりませんでした。竜の落とし子の親戚だし、何かいいことがあるかもしれません。 今回のスミッチさんのコメントで、チリメンジャコの中のイワシの稚魚以外の生物を「チリメンモンスター」略してチリモンと呼ばれていることを知りました。この呼び方は大阪府岸和田市にある「きしわだ自然資料館」が2004年の夏休みイベントで、最初に用いたそうです。


こちらがネットから転用させていただいたヨウジウオの稚魚の写真です。
右の写真は顔のを正面から見たヨウジウオです。ヨウジウオはオスの腹部に、育児嚢(いくじのう)という袋があり、メスはオスの育児嚢に800~1000個の卵を産み、オスが稚魚になるまで卵を守ります。つまりオスが子供を産む魚なのです。タツノオトシゴも同じであるため、干したものを安産のお守りにする風習があります。食べてしまいましたが、ヨウジウオも同じようにお守りに出来たかもしれません。クリックすると成魚の写真を表示します。


類似の魚と比べてみました。下記を見てもらうとヨウジウオはタツノオトシゴや リーフシードラゴン と近い種類であると判ってもらえると思います。アカヤガラの写真以外はネットから転用させていただきました。
アカヤガラヨウジウオタツノオトシゴリーフシードラゴン
硬骨魚綱硬骨魚綱硬骨魚綱硬骨魚綱
棘鰭上目棘鰭上目棘鰭上目棘鰭上目
スメグマモルフ系スメグマモルフ系スメグマモルフ系スメグマモルフ系
トゲウオ亜系トゲウオ亜系トゲウオ亜系トゲウオ亜系
トゲウオ目トゲウオ目トゲウオ目トゲウオ目
ヨウジウオ亜目ヨウジウオ亜目ヨウジウオ亜目ヨウジウオ亜目
ヤガラ科ヨウジウオ科ヨウジウオ科ヨウジウオ科
ヤガラ亜科ヨウジウオ亜科タツノオトシゴ亜科ヨウジウオ亜科
ヤガラ属ヨウジウオ属タツノオトシゴ属  Phycodurus