千葉県八千代市の下高野地区では以前にも紹介した通り、疫病や災いが地区に入ってくる防ぐ願いを込めて、他地区との境界に藁の大蛇を飾り風習があります。私は下高野地区の人間ではないけれでも、大蛇作りと大蛇を飾る行事に2012年から参加させていただいており、今年も2019年2月3日に参加させていただきました。今回が6回目の参加となります。初参加のきっかけは、2010年に掲載した下高野の辻切りの記事が下高野の方の目にとまり連絡を取り合う中で行事に誘われたことでした。2010年1月の記事に下高野の方から最初にコメントを頂いたのは2011年10月4日13時06分でした。
辻切り行事は毎年1月25日に決まっている地域もありますが、下高野地区では1月25日から節分までの間の都合の良い日に行われています。上の写真は6体の藁の大蛇の中の1体です。右の写真は2010年の記事の写真です。着色文字をクリックするとその時の記事を表示しま
対象年 行事が行われた日
2010年 1月24日(日) 大蛇発見
2011年 不明
2012年 1月29日(日) 初参加
2013年 1月27日(日) 海外のため不参加
2015年 2月02日(月) 参加
2016年 1月31日(日) 参加
2017年 1月29日(日) 参加
2018年 2月03日(土) 関西のため不参加
2019年 2月03日(日) 参加 ←今回
下高野地区を紹介します。赤色ラインで囲ったところ()が千葉県八千代市下高野です。藁の大蛇を作った場所は6つの赤色マークの大蛇を設置する中の「1」のすぐ傍、戦国時代に下高野館(下高野城)があった麓です。マイナスのアイコンを5回クリックすると東京からの位置方向が判ると思います。
こちらのビニールハウスが藁で大蛇を作る作業場所です。
八千代市全体の0.1%以下の人口のエリアに八千代市全体の約10%の石造物があるエリアでもあります。
藁は2種類が用意されていました。コシヒカリの藁と、藁細工のためのミトラズ(古代米)の藁です。実を収穫しないのでミトラズと呼ばれているそうです。ミトラズは注連縄(しめなわ)を作る藁でもあります。
そのミトラズの種もみです。つまりミトラズは実が出来ないのではなく、実をとらないで刈り取ってしまうようです。
最初に蛇の頭を作り始めます。
今回は「千葉日報」さんと「八千代よみうり」さんの2つの新聞社の方が取材に来られていました。最後に、掲載された記事を紹介したいと思います。
完成した蛇の頭です。
蛇の頭が完成すると次は胴体作りです。
藁の大蛇の作り方は今までに何度も詳しく紹介したので省略いたしますが、今回初めて新しい蛇の作り方を採用したそうです。蛇の胴体には藁を沢山使うので表面の部分はミトラズで中はコシヒカリを入れるのですが、昨年までは胴の部分を編みながら内側にコシヒカリを入れて外側にミトラズを巻きながら作っていましたが、その部分で新しい作り方を採用したそうです。
胴を作る前にコシヒカリだけを束ねて2mの棒状のものを作るのです。写真は注連縄作りの名人がコシヒカリを束ねているところです。蛇全体は3mを越えるので尻尾の先の方はミトラズの藁だけということになります。
今までの記事で藁の大蛇を作るところの動画を紹介しましたが、コシヒカリの藁で芯を作るのは初めてなので記録の意味もあり動画を撮りました。1体の大蛇を作るのに、このコシヒカリの藁の芯が3本必要です。6体だと18本になります。芯の太さは同じにするそうです。動画の中でもそのことを後輩に伝授されていました。胴を編むときの胴体の太さは古代米のミトラズの藁の量で調整するのだと思います。
束ねたコシヒカリの周囲にミトラズを巻きながら胴体を編んでいくのです。
こちらが「ふるさとの歴史展」で展示されていた大蛇です。
さらに胴体をきれいにするために表面をなめします。まさに注連縄のような表面になります。近隣の他の地域の大蛇では採用していないため、きれいな差別化された大蛇と言うことになります。
作業場を離れて撮りました。軽トラックの荷台が作業台として使っているのです。写真に写っているビニールハウスが蛇を作った作業場です。
ここまで作業が終わったところでティータイムです。恒例の鏡餅を割って作ったあられも出てきました。これはいつも大人気でした。
次の作業は藁の蛇の飾りつけです。最初に目と舌を取りつけて、その後にヒイラギとスギの小枝と塞神のお札と幣束(ごへい)を取りつけます。写真は唐辛子の目と舌を取りつけるための針金を取りつけているところです。
こちらはヒイラギとスギの小枝と塞神のお札と幣束(ごへい)を取りつけているところです。順番は決まりがあり、頭の方から次のように取り付けていきます。塞神のお札と幣束(ごへい)は神社でもらうそうです。お札には塞神(さいのかみ)と「八衢比古神(やちまたひこのかみ)・八衢比女神(やちまたひめのかみ)・久那戸神(くなどのかみ)」の三柱の神様が書かれていました。
② 塞神のお札
③ 杉の小枝
④ ヒイラギの小枝
⑤ 幣束(ごへい)
⑥ 杉の小枝
① 青菅/井野 ② 上高野 ③ 米本 ④ 保品 ⑤ 先崎 ⑥ 青菅
①青菅/井野との境
これは1年前に取り付けた大蛇です。これを取り外して新しいものを取りつけます。
古い大辻を取り外しているところです。6体の大辻(大蛇)の中で最も車が沢山通る場所の大辻です。私が初めて2009年に下高野の藁の大蛇に気が付いたのもこの場所でした。
新しい大辻を取りつけているところです。
取付終わった大辻です。今年も迫力の大辻になりました。
1体を取り付けたので残りは5体の大辻です。
一旦、昼食にするので持参のお弁当を広げました。12時55分~13時40分までいろんな話題に盛りあがりました。
②上高野との境
こちらは鏡餅のあられも持ってきた方の担当の大辻です。6つの大辻にはそれぞれ担当の家があります。境に一番近い家が担当するので担当の家は決まっているのです。その家の方が大辻作りに参加されるのです。
③米本との境
6人の方で新しい方が覚えるために6体の取付(ヒモで結ぶ)を行います。ヒモの結び方が独特で1回ではなかなか覚えられないので6体とも担当するようです。今年は、この大辻の担当の家の方が最後までヒモを結んでおられました。
④保品との境
こちらの大辻も迫力の顔をしています。
⑤先崎との境
こちらは、私が一番お世話になっている方の担当の大辻です。写真は古い大辻でこれを取り外して新しい大辻を取りつけます。
取りつけている途中の新しい大辻です。周囲の枝を切って、少しでも迫力の大辻が見えるようにします。
最後の1体が荷台に乗っています。最後は青菅との境の大辻です。
⑥青菅との境
こちらでも、少しでも目立つように取り付ける工夫をします。
これで6体全ての大辻の取付完了です。
写真の左端に取り付けが完了した大辻が写っています。
取付完了と同時に佐倉市コミュニティバスが通ったので驚きました。私が知っているコミュニティバスは、ここを通らなかったのです。最近ルートが追加されて通るようになったことを教えてもらいました。
従来 ⑦→⑧→⑨→⑫
改正 ⑦→⑧→⑨→⑩→⑪→⑩→⑨→⑫
名前 味楽庵
住所 千葉県佐倉市宮ノ台3-3-8
電話 043-487-3926
先ずは大ジョッキで乾杯です。
前回、鶏のモツ煮込みが美味しかったので最初に頼みました。
揚げニンニクも頼みました。実は下高野地区で昔ながらの節分の行事を行っている方がおられて、この日に辻切りを取材に来ていた方が、そのことを知って、節分行事も取材することになったことから、その人は参加できないかもしれないと言われていましたが、遅くなりましたが参加していただいて、話が盛り上がりました。その節分の行事が載った新聞記事は最後に掲載させていただきました。
その方もそろったのでイカ焼きなどの料理も追加しました。鶏のモツ煮込みも追加しました。
ビールだけにするつもりでしたが、前に座った方が日本酒を飲まれていたので、私も飲んでしまいました。
お蕎麦屋さんですから,〆はやっぱりお蕎麦にいたしました。
翌日2月4日に、2月3日に作った写真の小辻を家の入口に取り付けました。
こちらが取材に来られていた「千葉日報」さんの辻切りに関する記事です。辻切りが行われた翌日の2019年2月4日付けで掲載されました。さすが日刊紙です。対応が素早いです。
社名 株式会社 千葉日報社
本社 千葉市中央区中央4-14-10
設立 1956年
創刊 1956年
種類 日刊紙
発行 16万9899部/日
HP https://www.chibanippo.co.jp/
そしてこちらが「八千代よみうり」の記事です。上で紹介した貴重な昔ながらの節分の記事が赤枠で囲ったところです。緑枠で囲った部分が上高野の辻切りに関する記事です。こちらは2019年2月22日(金曜日)付けで掲載されました。今回の「八千代よみうり」は月刊紙で毎月第3金曜日(か第4金曜日)に発行されているようです。
社名 北総よみうり新聞社
発行 千葉東部読売会八千代支部
住所 千葉県成田市花崎町959
種類 月刊紙(月に1回)