私の住んでいる家の近くでは昔からの風習である「辻切り」を3つの地区で見ることが出来ます。一つが下高野の辻切りで、もう一つが上高野の辻切りです。ここで紹介するのは井野の辻切りです。下高野では6つで上高野は5つの大蛇が取り付けられるそうです。井野では8つの大蛇が取り付けられます。
佐倉市の井野地区には毎年1月25日に病気や災いを防ぐ願いをこめて村の結界に魔よけの大蛇をぶらさげる風習があります。2009年の1月25日は、日曜日だったので、大蛇をぶらさげるところとさらに大蛇を作るところに出会えました。その記事を再掲載させていただきました。
一年前の大蛇を外した後に新しい大蛇を大きな木に巻きつけました。昨年も井野の辻切りを掲載しましたが一ヶ月後の写真でしたが、おかげさまで、このときは当日の写真を撮ることが出来ました。

ぶらさげ終わった後に、五穀米を蒔いて手を合わせてお祈りをしていました。私は写真を撮っていましたが、五穀米が沢山あったので私も参加させてもらいました。


これが蒔いていた五穀米です。「撒く」ではなく「蒔く」であることは後で判ります。


これがネットから拝借した井野地区の衛星写真です。井野では大蛇を辻に置く辻切りの場所は1番から8番の8箇所あります。冒頭の場所は衛星写真の5番です。5番以外もすべて廻ったので紹介いたします。


ここは、2~8番から遠く離れた1番の辻切りの場所です。行ったときに丁度取り付けているところでした。ここは住宅街の真中で他の場所とはすこし雰囲気がちがいます。
ここ1番の辻切りが最も早く大蛇が取り付けられました。ここの大蛇だけが目が赤いのが面白いです。

                            
7番の辻切りの場所に行くと近くの民家で藁の大蛇を作っているところに出会えました。寒い時期なので屋内で作っているもの想像していたために、大蛇を作るところは見れないと思っていたのでうれしかったです。せっかくの機会なので大蛇が出来上がるまでを紹介いたします。

                            
庭にビニールシートとゴザをひいて男性と女性が一緒に作っていました。まだ蛇の形はないため作り始めたばかりのようでした。確かに、この日は暖かかったので庭で作業するのに丁度よい天気でした。時間は10時18分でした。まだまだ時間がかかりそうなので一旦離れて別の場所に行きました。


11時10分に戻ってくると、まだ頭はついていませんが蛇の形が出来つつありました。この段階になると男性が作業されていました。


いよいよ蛇の頭を付けます。足元のワラジのように見えるのが頭の上あごと下あごです。


二人ががりで頭を取り付けています。

                            
目を作っているところです。キンカンを紙に包んで作ります。蛇にはすでにお札や木の枝の飾り付けが行われています。最後の段階です。

                            
黒目を書き入れているところです。この日は佐倉市広報番組のチャンネルさくらの方が取材に来られていました。ケーブルテレビのCATVの5チャンネルで放送されるそうです。


唐辛子の舌を付けて完成です。


完成した大蛇にお神酒をあげます。一番の長老がお酒を飲ませてあげているところです。


村の辻に置く大蛇だけでなく個人宅の入口に取り付ける蛇も作られていました。すべて並べて写真を撮らせてもらいました。手前に紙で包まれているのは五穀米です。

                            
この家の人にインタビューしている風景にも出会えました。おそらく明日には放送されると思いました。カメラマン、アナウンサー、デレクターの3人とも女性の人でした。


完成した大蛇をいよいよ辻に、たっている木に取り付けます。みんなで運んできます。


去年の1月25日に取り付けた大蛇を外します。


新しい大蛇を取り付けました。


ここでは古い大蛇を燃やします。他の場所では下にそのまま置いているところもありました。一年間ご苦労さまでした。


道路を横断するように鍬で溝を掘り始めました。


その溝に全員が1人づつ五穀米を蒔きます。これですべて終了しました。今年は日曜日でラッキーでした。来年は月曜日だし再来年は火曜日です。2014年が土曜日なので5年先になります。


五穀米だけでなく大豆やピーナッツも入っていました。穀物全般を入れているんですね。


これは2番の大蛇です。1番と5番と7番以外は行ったときにはすでに新しい大蛇が巻きつけられていました。


うれしいことに4番が復活しました。去年はお札だけでした。今年は新しい藁のとぐろが置かれていました。2005年以来です。写真をじっくり見ると、ここにも五穀米が蒔かれていることが判ります。


高層マンションが見える場所にあるのは8番の辻ぎりです。


こちらは3番の辻切りです。


こちらは6番です。これですべて紹介させていただきました。


個人の家の入口です。こちらに設置されているのは蛇し注連縄の組み合わせのような辻切りでした。


お札だけの家もありました。向かって右側が多かったです。