先日(2012年1月29日)に千葉県八千代市下高野の辻切りの伝統行事に参加させもったときに前日(1月28日)こ隣の地区である千葉県八千代市上高野でも辻切りが行われたと聞きました。ネットで調べると2006年の記事に5ケ所に辻切りの藁の大蛇が設置されると書かれていました。そこで朝のワンコの散歩を兼ねて5ケ所の場所を探してみることにいたしました。2時間以上の長い散歩になったのでワンコは大喜びでした。
辻切りは集落の結界に飾られ悪霊や疫病などを防ぐもので上高野では1月28日前後に行事が行われるそうです。

探した結果、下記の地図にマークしている①から④の4ケ所を見つけることが出来ました。 ←追伸 今日(2月12日)、5番目の辻切り⑤を見つけました。
黒い点の入った黄色のマークは辻切りを作るために、みんなが集まる金乗院の場所です。見つけた順番に①~⑤の番号を付けました。見つけた4ケ所の藁の大蛇の辻切り(大辻)を紹介いたします。赤いマークは6ケ所ある下高野の辻切りの一つです。クリックするとgoogle地図を表示します。



の辻切りです。


頭の向きは北東の方向でした。こちらは下高野の方向です。



の辻切りです。


こちらの蛇の頭は北北東に向いていました。こちらは井野および下高野の方向にあたります。



の辻切りです。この場所は、ふれあい広場の入口にあたります。かなり長い大辻でした。


頭の方向は南南東に向いています。こちらの方向も上高野のため同じ上高野でも古い地区と新しい地区の境なのかもしれません。 → Kazuさんのコメントによると昔の上高野と上高野原の境になるそうです。



の辻切りです。こちらの辻切りはネットでもよく出て来ていました。セントマーガレット病院の脇にある庚申塚のフェンスに付けられていました。


頭は西の方向を向いています。こちらは村上地区方向です。こちらを冒頭の写真に使わせてもらいました。上高野の辻切りを見ると下高野の辻切りが丁寧に仕上げられていることがわかりました。



最後に見つけたの辻切りです。八千代松陰高校のグラウンドの裏の道を挟んだ大きな木に取り付けられていました。


頭は北西方向なので米本地区方向を向いていることになります。やっと目標の5体全てをを見つけることが出来ました。



上高野の辻切りと下高野の辻切り井野の辻切りの場所にマークを付けました。空色が井野の辻切りで、8ケ所すべてマークしています。赤色が下高野の辻切りで、6ケ所すべてマーク出来ています。黒い点がない黄色のマークが5ケ所の内の見つけた4ケ所の上高野の辻切りです。5番目の辻切りを、ご存知の方がおられてら教えてください。本記事に追加したいと思います。 ←追伸 5番目の辻切りを見つけることが出来たので写真を追加しました。
赤色ラインが上高野の5番目の辻切りを見つけるために2012年2月12日に歩いた散策ルートで、青色ラインが2月5日に①~④を見つけた散策ルートです。もう少し足を伸ばしていたら⑤を見つけたかもしれません。

より大きな地図で 井野、上高野、下高野の辻切り を表示
こちらが辻切りを作るために皆さんが集まる金乗院です。


上高野地区では各家に飾る小辻も沢山見かけました。いくつかを紹介いたします。最後の写真のように、まだ昨年の小辻のままのところもありました。




八千代市立郷土博物館のホームページでの辻切りに関する記載内容
2 ワラヘビにびっくり

八千代市の農村部では正月下旬頃になると、あちらこちらで家の生け垣や集落の入口に、ワラで作られたヘビが飾られ、初めて見る人を驚かせます。これはもちろん、人を脅かすためのものではなく、集落や家に入ってこようとする悪霊(鬼)を追い払うための一種のまじないです。この風習を「ツジギリ」と言い、ワラヘビの他、注連縄(しめなわ)を下げる地域もあります。この風習は江戸時代頃には庶民の間に広まったと言われ、八千代市のみならず近隣の佐倉市等でも、今も見ることができます。

写真のような大きなワラヘビを作っている下高野(しもこうや)地区では、ワラヘビや注連縄(しめなわ)用の稲(古代米)を植えて、手作業で刈り取り、天日干しして、このような行事に使用しています。機械で刈り取った稲は丈が短く、大きなワラヘビの制作には適さないとのことでした。ワラヘビの舌や目玉はトウガラシや赤い木の実を付けます。背中には神社から頂いた魔除けの御札(おふだ)をはさみ付けています。地域によってはワラヘビの背中に、鬼の嫌がるヒイラギや杉の葉を付けたり、寺院の御札を、はさみ付けたりと変化します。八千代市内でも多くの農村地区で「ツジギリ」は行われていましたが、残念なことに、行事の中心となる方たちが高齢になるにつれ、中止してしまう地域が多くなりました。

 集落に残る伝統行事は、準備や行事に伴う祭礼と直来(なおらい)(神前に供えたものを共に飲食すること)といった、集落内の人々の横のつながりを確認する場でもありました。「ツジギリ」も、ムラや家族の安全と豊作を祈るという共通した気持ちをお互い確認する行事として、機能しているのでしょう。地域外から越して来られた方が「ツジギリ」を知らず、「いたずらでワラヘビをぶら下げています。」と、市役所に苦情を持ち込んだという笑えない話も聞こえてきます。ますます都市化の進む八千代市ですが、市内に残るこのような伝統文化を、多くの市民の方々に理解して頂き、古くから続く我が町の歴史・文化を、誇りとしていきたいものです。
八千代市立郷土博物館の2月25日からロビー展示は辻切り(ツジギリ)だそうです。
その他の展示は下記の通りです。
 常設展    「新川流域の自然と人々とのかかわりの変遷」
 企画展    第1回「八千代の遺跡」‐萱田地区
 収蔵資料展 第2回「くらしのうつりかわり」~学校の今・昔~
 共催展示   「昆虫展」 ~里山の生き物~
 連絡は下記
  住所 千葉県八千代市村上1170-2
  電話 047-484-9011