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上海蟹ツアーの2日目は太湖観光です。その中の目玉が上の写真のジャンク(船)による太湖遊覧です。ジャンク(Junk)は、中国で古くから用いられきた木造帆船です。中国語の「船(チュアン)」がマライ語の「jōng」に転訛し、スペイン語・ポルトガル語の「junco」に転訛したと言われています。ジャンクに使われる戎克は当て字だそうです。宋代以降大きく発達したそうですが、蒸気船の出現と共に衰退していったそうです。日本においても唐船という名で建造されていた時代があったそうです。

船に書かれていた船名から料金表の一番上が我々が乗ったジャンク(船)です。
今回のジャンクによる遊覧観光の費用はツアー料金に含まれているので単独では判りませんが乗場にあった料金表からジャンクの貸切料金は1800元(34500円)と思われました。28人で乗ったので一人あたりは64元(1220円)ということになります。
  一小時(1時間) 1800元/隻 
  两小時(2時間) 3500元/隻   
  半日        4500元/隻 


桟橋で我々が乗る船を待っています。入港してくる右側の遠くに見える船に乗るようです。


ジャンクが着きました。これから前のお客さんが降りて我々が乗ります。


私は最初に乗って、みんなが乗るところを撮りました。


船員さんが次の出航の準備をしているところです。


こちらが船室ですが、最初のころは皆さん外で景色を見ていましたが、後半はお茶を飲むために中に集まってきました。船にはキッチンがついているので、特別に頼め船の中で食事も出来るのだと思います。船の定員の30人でも、ゆったりと座れそうでした。


定員30名にしては大きな船でした。船は昔のように木造船でした。


こちらが船尾です。


走りはじめると帆をはり始めました。もちろん、この船はエンジンで走るのですが、雰囲気を出すために帆をはるのだと思います。


マストは3本ですが、2枚の帆が張られました。


霞んでいますが、遠くに帆を張って進むジャンクを見かけました。我々も、こんな感じなのだと思います。


主に船首に皆さん集まっていました。


船首から船尾の方向を見ました。紹介した船名は、こちらに書かれていました。


上の写真で船名がかかれた下が船内への入口で、みんなが集まってお茶をいただきました。


ジャンク乗場に戻ってきました。向かいにあったジャンクです。船からは別のジャンクを何隻も見かけました。ジャンクは船体中央を支える構造材である竜骨(キール)が無く、船体が多数の水密隔壁で区切られていることによって、喫水の浅い海での航行に便利で耐波性に優れ、速度も同時代のキャラック船・キャラベル船・ガレオン船と比べ格段に優れていたそうです。また横方向に多数の割り竹が挿入された帆によって、風上への切り上り性に優れ、一枚の帆全体を帆柱頂部から吊り下げることによって、突風が近づいた時も素早く帆を下ろすことが可能だったこともあり、横風に対する安定性が同時代の竜骨帆船と比べて高かったそうです。


陸に戻って散策しているときに係留されていた古いジャンクです。ここは昔の船着き場だったところだそうです。


大型の観光船もありました。沢山の人が乗っています。こちらは貸切ではないので安いのだと思います。


こんなタイプの観光船もありました。


太湖の地図です。赤色マークの場所がジャンク乗場です。1時間の乗船なので太湖のほんの一部しか見ることが出来なかったことは想像していただけると思います。
古代の太湖は東シナ海の一部でしたが、長江と銭塘江が運ぶ土砂で沖積平野が形成された結果、海から切り離された潟湖(ラグーン)となり、やがて雨量の多さや流入する無数の河川の淡水によって次第に淡水湖となっていったそうです。太湖は中国五大湖の一つで、鄱陽湖、洞庭湖に次ぎ中国で三番目に大きな淡水湖です。ただし中国の湖は季節によって面積が数倍になることがあるので、時期によっては順位は入れ替わる場合があります。