すでに上野の東照宮の冬ぼたん動物園を紹介した通り2013年1月8日は上野に行きました。上野に行ったならば、もう一つ行きたいところがありました。それは2013年1月2日にリニューアルオープンした東京国立博物館の東洋館です。実はこちらも、まほさん記事で紹介されて知ったのでした。

建物の外観からは低い建物のように見えますが地上5階・地下1階の建物で、今回のリニューアルの最大の目的は耐震改修工事だそうですが、展示ケースには低反射ガラスを用い、LED照明の導入で写真を撮る人にとってはうれしいリニューアルのようです。
最初に地下の展示を見た後、エレベーターで5階に上がって下りながら順番に見ていきました。


写真を撮る人にとってはうれしいリニューアルと書きましたが東洋館は一部を除いてほとんどは写真撮影OKなのです。ただしフラッシュは厳禁なので注意してください。建物に入ってすぐに警備員の方に確認すると丁寧に教えていただけました。撮影禁止のものにはマークがついているので、間違えて撮影しないように注意してください。


ここからは観賞した順番の階ごとに紹介いたします。B1F→5F→4F→3F→2F→1F

地下1階 B1F クメール彫刻 東南アジア インド細密画・アジア染織
こちらは地下に展示されていたナーガ上のガルダです。 カンボジアのアンコール王朝時代のものでバプーオン入口と象のテラスです。作品は12~13世紀のものと考えられています。アンコール王朝のクメール彫刻です。


こちらもクメール彫刻です。素晴らしい彫刻でした。


東南アジアの金銅像もたくさん展示されていました。


インド・東南アジアの考古学的な展示物です。60万年以上前に遡る前期旧石器時代の楔形石器や、インダス文明滅亡後の前2千年紀に栄えた埋蔵銅器文化の銅器からタイ北東部のバンチェン地方の起源前3~起源後2世紀の武器や装身具などが展示されていました。


これは銅製の太鼓である銅鼓です。中国の広西チワン族自治区や海南省で出土したものだそうです。


こちらは東南アジアの陶磁器を展示したコーナーです。


地下にはこれら以外にアジアの染織・カシミヤ・ショールやインドの細密画やインドネシアのワヤン・クリなどが展示されていました。右のガラスケースに入ったものが伝統的な影絵芝居に使われるワヤン・クリです。ワヤン・クリは水牛の革に精妙な透彫りと鮮やかな彩色が施されてつくられます。影絵芝居自体は世界無形遺産でもあります。



5階 5F 朝鮮半島 中国工芸
こちらは5階の朝鮮半島の陶磁器展示エリアです。かなり広いスペースが使われていました。


沢山並べられていますが、どれも立派な物ばかりです。


こちらもどこかの教科書で見たことがあるようなものばかりでした。


重要美術品で車輪付双角杯です。どこかで見たことのあるものです。 
朝鮮半島の三国時代(加耶)・5世紀のものだそうです。


朝鮮半島の金の冠でこちら重要美術品と位置付けられていました。 伝韓国慶尚南道出土で三国時代(加耶)・5世紀のものだそうです。



4階 4F 中国石刻画 中国絵画・書籍
中国絵画の展示エリアです。


こちらが1197年に描かれた国宝の紅白芙蓉図(こうはくふようず) 2幅です。この写真のように紅芙蓉白芙蓉の2対(2幅)です。室町時代より日本に多くもたらされた中国絵画(宋元画)です。ここ中国絵画のエリアでは紅白芙蓉図を含んで国宝2件、重要文化財9件、重要美術品1件が展示されていました。


書籍や書画も沢山展示されていました。


中国の石刻画芸術のエリアです。真中の石刻画はホームページにも掲載されているもので馬車の行列/先祖の祭祀を行なう建物の石刻画で中国山東省孝堂山下石祠のものだ差うです。作られたのは後漢時代・1~2世紀だそうです。



3階 3F 中国文明はじまり 中国工芸 
3階には中国の青銅器が沢山展示されていました。


唐三彩の名品も多数展示されていました。


中国の古代から唐時代青銅器の器類です。


中国陶器の中で最も欲しいと思ったものです。名前は玳玻釉梅花文碗(たいひゆうばいかもんわん)です。南宋時代に吉州窯で焼かれたものです。



2階 2F インド・ガンダーラ・西域 エジプト・西アジア
西アジア・エジプト文明の提示エリアです。


最も目立った存在なのが、こちらのセクトメ女神像です。紀元前16~14世紀のものだそうです。材質は黒花崗岩と書かれていました。


もう一つインパクトがあったのがミイラです。エジプトでミイラをいくつか見る機会がありましたが、日本でミイラ見ることが出来るとは思ってもいませんでした。手前がミイラの御棺の蓋で向こう側が御棺の下側とミイラです。本ミイラは1904年にエジプト考古庁長官ガストン・マスペロによって寄贈されたものでパシェリエンプタハのミイラと呼ばれています。これは貴重なもので2階に展示されていました。


インド・ガンダーラの彫刻群です。こちらも2階です。


西域の美術の中の、中国の工芸エリアにあったもで見たことのあるような構図です。左は樹下美人図だと思われます。ただし、これは現東京芸大卒で木版画家で模写が有名であった川面義雄(1880~1963年)によって模写されたものです。原本は中国・アスターナ・カラホージャ古墳群の中に描かれています。右のものは本物で樹下人物図(じゅかじんぶつず)と呼ばれているもので重要文化財に指定されています。


最初に紹介した浮彫は2階にあった仏鉢供養・交脚菩薩像(ぶっぱつくよう・こうきゃくぼさつぞう)です。アフガニスタンのもので3~4世紀のものだそうです。



1階 1F 中国の仏像
1階はエントランスや大きなロビーがあることから展示スペースは広くはありません。その展示室には如来三尊仏龕が沢山並べられていました。一つ一つは違いますが、同じ構図なのが印象的でした。


正面から見た如来三尊仏龕も紹介いたします。



こちらが東京国立博物館(トーハク)の本館です。東京国立博物館は本館、東洋館以外に平成館、法隆寺宝物館、資料館、表慶館(休館中)、黒田記念館(休館中)があります。本館の裏手には日本庭園と茶室があり、全てを見るには時間が必要です。もし昼食をする機会があればホテルオオクラ経営のレストランが2つあるので利用されてはいかがでしょうか。我々は動物園で食べてきてしまったので気が付いた時には遅かったです。レストランを紹介しておきます。
  ゆりの木     東洋館別棟1階
  ガーデンテラス 法隆寺宝物館1階


レストランの料理も、すこし紹介いたします。
東洋館リニューアルオープン限定記念メニューとしては「黒豚ハンバーグ 1600円」と「豚角煮つゆそば 1600円」がありました。その他の例では「鹿児島産 鰻重セット 2500円」 「天丼 1100円」 「肉そば 800円」 「本日の肉料理 2500円」 「ビーフカレー 1300円」 「チキンカレー 950円」 「五目チャーハン 800円」 「五目あんかけ焼きそば 900円」などがありました。デザートも充実していました。