が表示された写真はクリックすると拡大します。


高速道路でドイツのミュンヘンからオーストリアのウィーンに車で入って最初に目についたのが、今回報告の地下鉄の駅舎です。ウィーンの町に入って古めかしい駅舎らしいものがいくつもありました。これはその一つを車の中から撮ったものです。拡大してよく見ると「OBER ST. VEIT」と言う文字が読み取れました。ネットで調べてみると‎Otto Wagner(オットー・ヴァーグナー)の1897-1898年作だそうです。地下鉄U4の駅舎の一つOBER ST. VEIT駅です。つまり1898年に歴史的な開業となったシュタットバーン(都市鉄道)の駅である上に、開業当初のままの駅舎なのです。シュタットバーンは高架と掘割走る都市鉄道のことです。その1898年開業したシュタットバーンは1976年に一部を地下鉄化してU4線となりましたが駅舎に関しては開業当初のままなのです。つまり115年前の駅舎なのです。

これは別の駅で翌日の朝の散歩の時に撮りました。地下鉄と言っても、この場所は写真のように駅の上はオープンの状態でした。駅名はわかりませんが、こちらの駅も古いものであることはわかりました。
地図で調べてみるとKettenbrückengasse駅(ケッテンブリュッセンガッセ駅)で設計者は同じ‎Otto Wagner(オットー・ヴァーグナー)で、竣工は1899年と考えられています。


そのケッテンブリュッセンガッセ駅を拡大いたしました。100年以上経つ駅を大切に使い続けるのがヨーロッパなのです。右の写真はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikimedia)から拝借したケッテンブリュッセンガッセ駅舎の入口側の写真です。


Googleの航空写真です。右よりの緑の屋根の四角い建物がKettenbrückengasse駅舎です。細長いホームの上の緑の屋根も印象的です。右の写真はWikimediaに掲載されていた1977年のホームの写真です。このころは屋根の色は緑色ではなかったようです。航空写真上のマイナスアイコンを数回クリックするとウィーンの町の中の、この駅の位置が特定できると思います。

道路の左側に沿って地下鉄が走っていましたが、それを跨ぐ別の路線の鉄橋も趣がありました。宣伝と思われるHENKELL TROCKENの文字も古そうです。
地下鉄が世界で最初に開業したのはロンドン(パディントン駅~ファリンドン駅)の1863年1月10日です。その他の国での地下鉄開業はトルコ1875年(2番目)、ハンガリー1875年(3番目)、フランス1900年、ドイツ1902年、アメリカ1904年、アルゼンチン1913年、スペイン1919年、ロシア1935年、カナダ1954年、メキシコ1969年、中国1969年、北朝鮮1973年、韓国1974年、ブラジル1974年、オーストリア1976年、ベルギー1976年、オランダ1977年、インド1984年、シンガポール1987年、エジプト1987年、台湾1996年、タイ2004年、ドミニカ2009年、アルジェリア2011年、などです。
ちなみに日本の地下鉄は東京(上野~浅草)が1927年12月30日に開業し、大阪(梅田~心斎橋)が1933年5月30日に開業しました。