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下谷上農村歌舞伎舞台 神戸市北区山田町 [神戸]

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
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上の写真は今回の記事の主役である国指定重要有形民俗文化財の下谷上農村歌舞伎舞台(しもたにがみ のうそん かぶきぶたい)です。場所は神戸市北区山田町です。私が会社に入社して新入社員として配属となったのが神戸の事業所でした。昨年の12月に関西に行ったときに、その神戸の人たちの神戸駅前で行われた右の写真の飲み会(12月26日 権太)に初めて参加させていただき、懐かしい思いをさせていただきました。その時に年に数回ほどハイキングを行うことを聞いて、私が関西に行ったときにタイミングが合えば参加させていただくことになりました。その後、下記の案内が届いたので初めて2019年4月20日の「神戸市北区の重要文化財巡りハイク」に参加させていただきました。
 第70回 2019年1月19日(土) 兵庫七福神巡りハイク
 第71回 2019年3月16日(土) 金比羅宮参拝と讃岐うどんを賞味するハイク
 第72回 2019年4月20日(土) 神戸市北区の重要文化財巡りハイク
ルートは次の枠内の通りでした。途中でバスを使っています。神戸市の北区に沢山の重要文化財があるのに驚かされました。関東に引越まで長く神戸(東灘区と須磨区)および神戸周辺に住んでいましたが、六甲山の北東方向の北区山田町に、これほど沢山の国指定の重要文化財があるとは知りませんでした。
2019年4月20日(土) 神戸市北区の重要文化財巡りハイク
箕谷駅(待合わせ場所)→箱木千年家(国・重文)→つくはら湖畔散策→クリックすると拡大六条八幡宮(国・重文)→無動寺(国・重文 仏像5体)→若王子神社(国・重文)→下谷上農村歌舞伎舞台(国・重文)→(打上げ飲み会・全員)→箕谷バス停→三宮→(2次飲み会・有志)→阪急三宮駅

ハイクの最初の訪問場所の箱木千年家で撮った、今回のメンバーでの記念写真です。紹介の記念写真は、顔が判らないように人が小さく写った写真にさせていただきました。一番右側が私です。いつもは、もっと多いそうですが、この日は7名でのハイキングとなりました。
こちらの住宅は室町時代か鎌倉時代後期に建てられたとされています。現存する日本最古の民家とされる国指定の重要文化財の箱木千年家に関しては 後日に紹介したいと思っております。
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こちらが集合場所の神戸電鉄の箕谷(みのたに)駅です。
集合時間は9時30分となっていましたが、ある理由により8時32分に箕谷駅に着きました。実はハイキングのルートの案内の中に、時間の関係で下谷上農村歌舞伎舞台には行かないこともありうる旨の説明があったことから、確実に下谷上農村歌舞伎舞台の写真を撮るために、私だけ早く来たのでした。
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駅前の写真のお店で下谷上農村歌舞伎舞台への行き方を訪ねて道順を教えていただきました。山田中学校まで行けば判るとのことなので、歩き始めました。
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途中に大きな道がありました。横断歩道を渡ったところで下谷上農村歌舞伎舞台の道順を聞きましたが、下谷上農村歌舞伎舞台は判らないとのことなので山田中学校の場所を聞くと中学校への道順はすぐに判りました。
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写真には写っていませんが左の方に中学校が見える位置まで来ました。横断歩道を渡って正面の細い道を進むと山田中学校です。押ボタン式の横断歩道ですが、ボタンを押しても信号が変わるまでに信じられないほど時間がかかる信号でした。私のように初めての人は、故障していると思ってしまうほど危険な信号でした。故障していると思って赤信号で渡ってしまう人が出ると思われるためです。私は辛抱強く待って青信号で渡りました。
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横断歩道を渡って道に入ったところに下谷上農村歌舞伎舞台の案内板がありました。山田民俗文化保存会が建てた道標(案内板)です。この道標のおかげで進む方向の確信が持てました。
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最初の目標の山田中学校に着きました。
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右のフェンス沿いの道の奥に下谷上農村歌舞伎舞台があります。道の左側に石碑が立っていました。
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石碑(参道の標石)には天彦根神社とありました。
天彦根神社は「あまつひこねじんじゃ」と呼ぶそうです。天彦根神社に下谷上農村歌舞伎舞台があるようです。
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中学校脇の道を進むと茅葺の建物が見えてきました。この建物が下谷上農村歌舞伎舞台と思いました。
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さらに近づきました。
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下谷上農村歌舞伎舞台の説明板がありました。クリックすると読める大きさに拡大いたします。説明によるとこの歌舞伎舞台は今から179年前の1840年(天保11年)に村芝居の舞台として建てられたものだとわかりました。日本全国には約2000棟の舞台が現存しているそうですが、ここにしかない舞台機構もあるそうです。その、ここだけの舞台機構は、花道の一部が回転して、反り橋が出る機構だそうです。それ以外に花道・太夫座・回り舞台・二重台。大迫り・ぶどう棚などの多種の舞台機構も備えているそうです。
下谷上農村歌舞伎舞台
この舞台は、江戸時代末の天保11年(1840)に建てられた村芝居の舞台である。
江戸時代には、原則として農民が芝居を観たり演じたりすることは禁じられていたが、実際にはこのような歌舞伎舞台が各地に建てられ農民たちは歌舞伎を楽しんでいた。現存する舞台は、全国で約2000棟、兵庫県下で約170棟ばかりある。
この舞台の特色は次のような点にあり、全国屈指の歌舞伎舞台として国指定の重要有形民俗文化財に指定されている。
 1.江戸時代の建立で、舞台建築としては古いこと
 2.規模が雄大であること(間口12メートル、奥行8メートル)
 3.花道・太夫座・回り舞台・二重台・大迫り・ぶどう棚など多種の舞台機構を備えていること
 4.花道の一部が回転して、反り橋が出る特殊機構があること(全国唯一)
 5.神社境内の付属建造物である長床(宮座行事の建物)の利用舞台としての典型であること
なお、この舞台は昭和52年(1977)1月に不審火で焼損したが、同54年(1979)9月に修復された。
神戸市教育委員会
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東側から見た舞台です。間口は12mで、奥行きは8mと歌舞伎舞台として大きなものだそうです。ここから見えているのが間口の12mです。
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奥に神社がありました。おそらく天彦根神社だと思われます。
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正面から見た天彦根神社です。祭神は天津彦根命(あまつひこねのみこと)だそうです。
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斜め横から見た天彦根神社です。
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脇に小さな祠もありました。
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神社の位置から見た歌舞伎舞台です。
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神社側の正面です。建物の右側(西側)に広い敷地があるので、その広い敷地から歌舞伎を見るのだと思います。
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クリックすると拡大広い敷地側から見た歌舞伎舞台です。ネットの写真を確認すると右の写真のように広場側の板壁が取り外されて舞台になっていました。右の写真の撮影者および撮影日は次の通りです。
 撮影者: 小田桐 一良さん
 撮影日: 2016年10月16日
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下谷上農村歌舞伎舞台の動画がYouTubeに登録されていたので紹介します。こちらの舞台機構の一つである「回り舞台」を廻す場面です。


左側の面が神社側で、右側が広い敷地側です。これが冒頭に使った写真です。
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驚いたことに下谷上農村歌舞伎舞台以外にも神戸市北区山田町には沢山の農村歌舞伎舞台および歌舞伎舞台があります。山田町の農村歌舞伎舞台の場所を紹介します。さらに北区淡河町にもあるそうです。その北区淡河町の北僧尾農村歌舞伎舞台(県・重文)は、現存する日本最古の安政6年(1777年)の農村歌舞伎舞台だそうです。藍那地区には八王子宮と釈迦堂と厳島神社に3つの農村歌舞伎舞台があったそうですが、厳島神社の舞台は廃絶となり、釈迦堂の舞台は1965年の台風23号で被害を受けた状態だそうです。ただし、あいな里山公園に新しい農村歌舞伎舞台が再現されています。のみ淡河町で他は山田町です。
  下谷上農村歌舞伎舞台(天津彦根神社)   北区山田町下谷上字砂川
  上谷上農村歌舞伎舞台(天満神社)     北区山田町上谷上字宮開地
  天津彦根農村歌舞伎舞台(天津彦根神社)  北区山田町原野字八王子
  藍那八王子宮農村歌舞伎舞台(八王子宮)  北区山田町藍那字北ノ谷
  藍那釈迦堂農村歌舞伎舞台(釈迦堂)    北区山田町藍那字下ノ町
  藍那農村歌舞伎舞台(あいな里山公園 再現)北区山田町藍那字田代
  小部農村歌舞伎舞台(大歳神社)      北区山田町小部字松宮山
  小河農村歌舞伎舞台(大歳神社)      北区山田町小河字向山
  坂本農村歌舞伎舞台(厳島神社)      北区山田町坂本字後阪
  六條八幡神社能舞台(六條八幡神社)    北区山田町中字宮ノ方
  北僧尾農村歌舞伎舞台(厳島神社 現存日本最古 北区淡河町北僧尾 


上で紹介の11ケ所の農村歌舞伎舞台の写真を紹介します。11ケ所の内9ケ所はネットから転用させていただきました。つまり2ケ所()は今回のハイキングで撮った写真です。からまで左上から順番に並べています。12枚目(最下段の右端)は11枚を順番に切り替えて表示する方式で表示しています。
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神戸市のホームページを調べてみると神戸市北区では農村歌舞伎が年に1回行われていました。行われる舞台は同じ場所ではなく次のように行われていました。2014年(平成26年)は第23回全国地芝居サミットin神戸が行われた年で2か所で歌舞伎の公演が行われました。2010年の農村歌舞伎が行われた歌舞伎舞台は、国営明石海峡公園の神戸地区(あいな里山公園)内に藍那集落に現存する藍那八王子宮農村歌舞伎舞台を再現した歌舞伎舞台です。
最近は11月の第1日曜日に上演されることが多いようです。今までの順番から言えば2019年は下谷上で2020年は上谷上の番でしょうか。(?)
リストの左端の記号は写真の位置を表しています。例 ②左:2段目の左側
 ①左 2010年04月18日 藍那農村歌舞伎舞台   北区山田町藍那
 ①中 2011年04月17日 小河農村歌舞伎舞台   北区山田町小河
 ①右 2012年04月15日 下谷上農村歌舞伎舞台  北区山田町下谷上
 ②左 2013年04月21日 上谷上農村歌舞伎舞台  北区山田町上谷上
 ②中 2014年04月19日 上谷上農村歌舞伎舞台  北区山田町上谷上
 ②右 2014年04月20日 下谷上農村歌舞伎舞台  北区山田町下谷上
 ③左 2015年11月01日 小河農村歌舞伎舞台   北区山田町小河
 ③中 2016年10月16日 下谷上農村歌舞伎舞台  北区山田町下谷上
 ③右 2017年11月05日 上谷上農村歌舞伎舞台  北区山田町上谷上
 ④左 2018年11月04日 小河農村歌舞伎上演会  北区山田町小河



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クリックすると拡大建物の地下に入口がありました。特殊な舞台機構に関係した入口ではないでしょうか。
右の歌舞伎の上演中の写真を見ると、この地下の通路の上に花道が設置されるようです。その花道には一部に回転して反り橋が出る特殊な仕掛け(裏返し機構)もあるそうです。
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その裏返し機構がYouTubeに掲載されていたので、動画を紹介します。この仕掛けが、全国に約2000ある農村歌舞伎舞台でクリックすると拡大唯一の特殊機構だそうです。上の写真の地下通路はこのためだったのです。動画の中の歌舞伎は2012年04月15日に上演されたものです。


広場からも天彦根神社を見ることが出来ました。
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見事な茅葺でした。
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茅葺のコーナー部の写真です。
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屋根の裏側です。日本の木造建築の美しさを感じます。
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建物を作るために寄進した人たちの名前が沢山書かれていました。兵庫県下には約170の農村歌舞伎舞台が残っているそうですが、昔は約330もあったそうです。
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神戸電鉄の箕谷駅と下谷上農村歌舞伎舞台の位置関係が判るGoogleの航空写真を紹介します。下谷上農村歌舞伎舞台がある場所の住所は神戸市北区山田町下谷上砂川あるいは神戸市北区山田町下谷上宮の前6-5です。神戸市立山田小学校の住所は兵庫県神戸市北区山田町下谷上宮前15と出てきます。
  神戸電鉄 箕谷駅
  下谷上農村歌舞伎舞台
  箕谷バスターミナル
 ━━ 箕谷駅() → 下谷上農村歌舞伎舞台()

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