下高野の辻切り 2016年 [風習・歴史]
写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
千葉県八千代市下高野の辻切りを初めて紹介したのが2010年1月26日でした。その記事に対して下高野の辻切りのメンバーであるkazuさんから 2011年10月4日に辻切り作りのお誘いをいただいたのをきっかけに2012年から藁のヘビ作りに参加させてもらっており今年2016年も参加させていただいたので、報告させていただきました。2012年からは、2013年以外はすべて参加させていただきました。2013年は1月24日から1月27日まで海外に出ていたために参加できませんでした。
最初に藁のヘビ作りのお誘いをいただいた2011年10月4日のkazuさんからのコメントを紹介いたします。
初めてお便りいたします。 下高野の辻切り大変良く取材されていますね、関心致しました。 私も辻切り作りのメンバーの一人です
毎年、1月の最終土曜日か日曜日に制作していますよ。 作り方は胴体部分は注連縄と同じです。頭は特殊で文章ではあらわせないんです。 お札は地区の神主さんから頂いた、塞神(さいのかみ)で「八衢比古神(やちまたひこのかみ)・八衢比女神(やちまたひめのかみ)・久那戸神(くなどのかみ)」の三柱の神が刷られているお札です。そのほかにヒイラギと杉の葉を刺します。
これは他地区から入る疫病や悪霊を、痛くて入らないようにする為と言い伝えられています。
実際の作り方をご覧になられるようでしたら、上記URLにお便りください。 来年の日時をお知らせいたします。
by kazu (2011-10-04 13:06)
辻切りは集落に病気や災いの侵入を防ぐために集落の道の境(辻)にワラのヘビを掛ける風習です。災いを切るために辻に取り付けることから「辻切り」と呼ばれているようです。写真の一年前のワラのヘビを取り外して新しく作ったワラのヘビを取り付ける作業なのです。下高野の辻切りは1月の最終の土曜日か日曜日に行われることが多いようです。今回の辻切りの作業は2016年1月31日に行われました。基本的には節分前までに行うそうです。右の小さな写真は2015年の写真です。通常は日曜日に行いますが2015年のみ月曜日でした。
下高野の辻切りに関する今までに掲載した記事を紹介します。
2010年1月24日(日) 下高野の辻ぎり
2012年1月29日(日) 下高野の辻切り行事に参加させていただきました。
2012年1月29日(日) 我が家にも小辻を飾りました。下高野の辻切り
2013年1月27日(日) 海外に出ていて参加できず。
2014年2月02日(日) 下高野の辻切り 2014年
2015年2月02日(月) 参加 記事は未掲載(右の写真)
2016年1月31日(日) 下高野の辻切り 2016年
この写真で中央ち左端の中間あたりにビニールハウスがあり、そのビニールは上の中でワラのヘビを作ります。中央の木が生い茂った丘は戦国時代に臼井城を守るための出城(下高野館)がありました。
こちらのハウスの中でワラのヘビを作ります。
皆さん集まって作り始めました。集合は9時で、ハウスの中は暖かかったです。
私も蛇の頭を作り始めました。 藁を7本で作りました。少し小さいので10本くらいの方がよかったかもしれません。
編んだ頭を2つ重ねると大きな口を開いたヘビの頭が完成です。針金で2つが離れないように縛っています。
頭が完成すると胴体を作ります。胴体はしめ縄の作り方と同じだそうです。下高野では6ケ所の境に取り付けるので6体のヘビを作るので一日仕事になります。
10時に甘酒に漬物で一休みです。
恒例のあられ(おかき)も出してもらえました。
今回は写真を趣味にされている方もこられていました。うれしいことに私のブログを見て辻切りを知ったそうです。一週間前に来られて近所の方に、1月31日に辻切りを作ることを知ってこられたそうです。
胴体は3本のワラをねじって太い縄にしますが、最初2本で作って3本目をねじりながら巻いていくところです。
胴体が出来ると飛び出したワラをハサミで切ってきれいにします。
6匹のヘビが完成したところで自分の家の入口に飾るワラのヘビを作りました。教えていただきながらですが何とか完成しました。集落の境に飾るヘビは大きいので、通称、大辻(おおつじ)と呼ばれているのに対して、家用は小さいので小辻(こつじ)と呼ばれています。
小辻のヘビの頭はワラ3本で作りました。大辻の場合は3本と書かれているところが7本~10本です。10本だと頭の大きな迫力のあるヘビ(大辻)になります。小辻も大辻も7列にするのは同じです。
ここで昼食となりました。時間は11時50分でした。
写真ではおにぎりは2個ですが、3個入っていました。ビールは2本いただいてしまいました。
下高野のワラのヘビの特徴は胴体がしめ縄のように滑らかなことです。その滑らかにするための作業がこちらです。
こちらの動画を見ていただくと滑らかにするための詐欺要が分かってもらえると思います。
ここまで完成いたしました。後はお札やヒイラキなどを飾り付ける作業だけです。
こちらが蛇に飾るトウガラシとヒイラキと杉の枝です。トウガラシは目と舌になります。
ヘビに飾り付けを行っているところです。飾り付けの順番は決まっています。取り付けるお札には塞神と大きく書かれています。塞神(さいのかみ)は八衢比古神(やちまたひこのかみ)、八衢比女神(やちまたひめのかみ)、久那戸神(くなどのかみ)の三柱の神様で、境の神でもあります。
4本にお札が付けられたところです。残りの2蛇用のお札は辻切を取り付ける場所に板版近い家の人が十尾しているので蛇を取り付ける時に受け取って取り付けます。4匹の内、1匹の飾り付けの順番が間違えています。気が付いて辻に飾るときに位置を変えました。
6体の大辻はこの地図の赤いマークのところに設置します。①~⑥の順番にみんなで取り付けにいきました。境界となる地域は次の通りです。その地域の方向にヘビの頭を向けて取り付けます。頭の方向に矢印(→)を書き込みました。
① 井野 ② 上高野 ③ 米本 ④ 保品 ⑤ 先崎 ⑥ 青菅
最初の①の場所に取り付けます。この時13時53分でした。ワラのヘビを作ったビニールハウスの横なので歩いて持って行って取り付けます。後の場所は軽トラで持っていきます。
脚立を使って取り付けるのはこちらだけです。
一年間無事に境を守ってもらうので、落ちたりしないように丁寧に取り付けます。
冒頭の写真です。取り付けが完了いたしました。井野地区方面ににらみを利かしているのです。
個人の家の小辻は事前に個人個人作られて、すでに取り付けられていました。
辻切りを取り付けている作業は以前にも紹介したので2番目から5番目を取り付けている写真は省略致します。この写真は最後(6番目)⑥の辻切りを取り付けている写真です。この大辻は青菅方面ににらみを利かしています。
辻切りを取り付ける時のひもの結び方の動画を紹介します。これを覚えると便利だと思います。
終わったところで蕎麦屋さんで打ち上げとなりました。まだ15時でしたが下高野の方が電話すると快く開いてもらえました。下高野の方はよく利用されているようでした。
名前 味楽庵
住所 千葉県佐倉市宮ノ台3-3-8
電話 043-487-3926
お通しです。ゴボウの料理です。
お漬物も用意されていました。
ここまでの料理はお任せで準備されていました。
さっさくビールで乾杯です。
蕎麦屋では珍しいホンビノスカイをいただきました。
ホンビノスカイの味は濃厚です。
こちらのから我々が頼んだ料理です。もつ煮込みです。
野菜炒めも頼みました。
レバー炒めを頼みました。ニラは無かったので、もやしが使われていました。これは結構おいしかったです。
最後の締めはやっぱり蕎麦です。2時間半ほど楽しみました。それでは始まるのが早かったので18時前でした。
翌日の②月1日に小辻を取り付けました。
近くの地区にも辻切りの風習が残っています。隣の地区である青菅、先崎には辻切りの風習は残されていませんでした。着色文字をクリックすると記事を表示します。
6ケ所 八千代市下高野 ヘビ形
5ケ所 八千代市上高野 ヘビ形
8ケ所 佐倉市井野 ヘビ形 別の記事
5ケ所 佐倉市小竹 しめ縄形