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萌黄の館(旧シャープ邸) 神戸・北野異人館 [神戸・異人館]

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神戸・北野異人館で「風見鶏の館」の次に訪れたのが萌黄の館(旧シャープ邸)です。ここは有名な風見鶏の館と隣接しており「風見鶏の館」との共通券(2館券)で入りました。高校生以下と身体障碍者は無料です。また神戸市民であれば65歳以上の人も無料です。
今回廻った12館の中では最も古い異人館で国の重要文化財でもあります。
この建物はアメリカ合衆国総領事ハンター・シャープ(Hunter Sharp)の邸宅として明治36年(1903年)に建照てられました。この建物は命名された時の色から「白い異人館」と呼ばれていたが1987年からの半解体修理で創建時の外壁の色は"萌黄色"であったことが発見されたことから、1989年に建物の愛称が「萌黄の館」に変更されて建物の色も萌黄色に塗られました。「風見鶏の館」の重厚なネオ・バロック様式に対し、「萌黄の館」は軽快な典型的コロニアル様式の2階建て建築です。装飾の基本はバロック様式で、2つの異るデザインのベイ・ウインドーやモザイク装飾の階段など随所に贅沢な意匠が見られ、日本の様式も散見されます。
  旧名称  シャープ邸
  用途   公開文化財、資料館
  設計者  A.N.ハンセル
  構造形式 木造2階建、寄棟造、桟瓦葺、上下窓鎧戸付
  敷地面積 803.66m²
  延床面積 383.34m² (1階192.91m²、2階190.43m²)
  竣工   1903年(明治36年)
  所在地  兵庫県神戸市中央区北野町3-10-11
  座標   北緯34度42分03.52秒  東経135度11分21.32秒
  文化財  国の重要文化財(1980年12月18日指定)

上の写真は正面から撮ったものですが、こちらは建物の裏通りに廻って撮った写真です。「萌黄の館」のシンボルである鮮やかな萌黄色がきれいなので是非とも裏通りにも廻ってみることをお薦めします。
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こちらの異人館「萌黄の館」のもう一つのシンボルが暖炉用の3本のレンガの煙突です。こちらの煙突は建物の正面から見える煙突です。
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こちらが裏から見ることが出来る残りの2本のレンガの煙突です。煙突のレンガの色が途中から変わっているのに気が付かれたでしょうか。
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1995年の阪神・淡路大震災ではシンボルの3本の煙突がすべて崩落し外壁に亀裂が生じるなどの大きな被害を受けたが、1年をかけて復旧されました。
クリックすると拡大大きくて重い煙突の中には屋根を貫き部屋の中に落ちたものもあったそうです。あるものは庭の一角には落下したそうです。庭に落ちた煙突は、そのままの姿で庭に展示されていました。大きさを知ってもらいために人が横に立っている写真も掲載いたしました。確かに屋根を貫くほどの重さだと思います。
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下の写真は庭から撮った「萌黄の館」です。他の異人館に比べて広い庭園があるのも特徴の一つです。
神戸市には異人館(幕末+明治)と洋館(大正+昭和初期)を合わせて90ほどの西洋館があり、日本の中でも最も多い数だと思います。Wikipediaで紹介されている1863年~1915年の異人館の一例として紹介されている館は21棟ありますが、その中で神戸市の異人館が12棟も占めていることでも神戸は異人館多いことを示しているのだと思います。同じ港町の横浜市が入っていないのを不思議に思われた方も多いと思います。その原因は1923年に発生した関東大震災にあります。震災以前の異人館で残っているのは1922年に建てられたイギリス7番館だけだそうです。今回、12ケ所の異人館を訪問しましたが、その中で「萌黄の館」を含めて3ケ所がWikipediaの主な異人館のリストに入っていました。
 文久03年(1863年)  長崎市  旧グラバー邸
 慶応01年(1865年)  長崎市  旧オルト住宅
 慶応02年(1866年)  鹿児島市 旧鹿児島紡績所技師館
 明治02年(1869年)  長崎市  旧リンガー住宅
 明治05年(1872年)  朝来市  ムーセ旧居
 明治13年(1880年)頃 神戸市  旧居留地十五番館 / 旧アメリカ領事館-
 明治15年(1882年)  北秋田市 旧阿仁鉱山外国人官舎
 明治22年(1889年)  神戸市  旧ハンター住宅
 明治29年(1896年)  神戸市  シュウエケ邸
 明治32年(1899年)  神戸市  旧キャセリン・アンダーセン邸
 明治35年(1902年)  神戸市  旧ハッサム住宅
 明治36年(1903年)  神戸市  旧シャープ住宅 「萌黄の館
 明治37年(1904年)  神戸市  旧トーマス住宅「 風見鶏の館
 明治38年(1905年)  高松市  旧ワサ・ダウン住宅 (神戸市から移築)
 明治38年(1905年)  神戸市  旧ハリヤー邸 「うろこの家
 明治39年(1906年)  神戸市  旧ヘイガー邸 「みなと異人館」
 明治40年(1907年)  神戸市  旧ブルクマイヤー邸 「北野物語館」
 明治42年(1909年)  姫路市  ダイセル異人館
 明治45年(1912年)  神戸市  旧グッゲンハイム邸
 明治後期(    )  長崎市  旧ウォーカー住宅
 大正04年(1915年)  神戸市  旧ドレウェル邸 「ラインの館」
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こちらの異人館では部屋の説明がしっかりと表示されていました。これは嬉しいです。ここは食堂兼居間です。ヒアノの両側から光が入ってくるように窓が付けられています。
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こちらには応接室と書かれていました。
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こちらは化粧室です。
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こちらには寝室と書かれていました。
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ベッドか全て写った寝室の写真です。
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南側に建物全体を貫く室内の広いバルコニーはすばらしいです。今回見た異人館の中で、ここだけにありました。
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当時は寝室として使用されていましたが、その後、リビングとして使われたそうです。
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こちらは子供部屋です。
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階段の中2階から上がっていく階段がありました。右側の扉が開いている部屋が浴室でした。
奥は使用人の部屋でしょうか。そちら公開されていませんでした。
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こちらが浴室です。大きな浴槽が身を引きました。
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トランペット像の向こうに「萌黄の館」が見えます。
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下記の地図のが萌黄の館(旧シャープ邸)です。今回、12の異人化に行きましたが最後に訪れたのが、今回紹介の異人館である萌黄の館(旧シャープ邸)です。今回は3館券(1300円)、7館券(3000円)、2館券(650円)を使いましため4950円ですが単独で支払うと7100円となります。この中で4館だけを選らべと言われるとオランダ館、うろこの家、英国館、風見鶏の館となります。でも異人館の全てのパワースポットにも訪れたいし、どの異人館も特徴があり見る価値がある上、すべてを見て初めて違いが分かるので、今回のように共通券で全て廻ることをお薦めします。この会の紹介以外に公開されている異人館は沢山あるようなので散策してみてください。シュウエケ邸(明治29年) 、キャセリン・アンダーセン邸(明治32年)、ハッサム住宅(明治35年)、ブルクマイヤー邸(明治40年)、ラインの館(大正4年)、居留地十五番館(明治13年)は歩いていける距離にあります。数分で行けるブルクマイヤー邸はスターバックスの店として利用されています。ハンター住宅(明治22年)、ヘイガー邸(明治39年)、グッゲンハイム邸(明治45年)は乗り物に乗る必要があります。
  700円 大正期  オランダ館    オランダ総領事邸 ヴォルヒン邸
  500円 テーマ館 デンマーク館   ヨハン・フラウベルト邸跡
  500円 テーマ館 オーストリアの家 W.クンツェ邸跡
  1050円 明治38年  うろこの家    ハリアー邸
  550円 明治後期 山手八番館    サンセン邸
  550円 明治後期 北野外国人倶楽部 フリューガ邸
  550円 明治後期 坂の上の異人館  中国領事館 チン邸
  550円 明治35年  ベンの家     アリソン邸
  550円 明治37年  洋館長屋     ボシー邸
  750円 明治40年  英国館      フデセック邸
  500円 明治37年  風見鶏の館    トーマス邸
  350円 明治36年  萌黄の館     シャープ邸
 今回内部に入らなかった異人館
 コンビニエンスストア、神社、他
 ━━ 2016年3月16日の散策ルート 阪急三宮駅ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼⒽⒾⒿⓀⓁ